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伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp5 said Heroine ページ23

あれから毎日のように来る一二三君だが

今日は一二三君より先に無花果がお見舞いに来た


「A。久しぶりだな。…まさか入院してるなんて思わなかった。このところ体調が芳しくないと聞く。私に出来る事はあるか?」
『大丈夫だよ無花果。ただの検査入院だから。』
「しかし…。そういえば、最近此処にシンジュク・ディビジョンの伊弉冉一二三が出入りしていると聞いたが。…仲が良いのか?」
『え?うん。最近毎日来てくれるんだ〜。』
「…そうか。」
『無花果?』
「いや、なんでもない。…仕事の時間だ、すまないな。また見舞いに来るよ。」
『うん!楽しみにしてるね。』









カツカツとヒールの音が鳴り響く
廊下を通る看護士が無花果とすれ違う度体を強張らせる

向かいから病院に不釣り合いなスーツの男が来る








「…伊弉冉一二三。」
「やあ!中王区の子猫ちゃんじゃないか!」
「止めろ虫酸が走る。最近、Aと親しいみたいじゃないか。女性恐怖症ではなかったのか?」
「彼女は唯一僕と話せる子猫ちゃんだから。No.1ホストの僕ではなく、何者でもない僕に向き合ってくれる子だから。」
「だが、今日はスーツなのだな。」
「敬愛する先生が、今日は彼女に這い寄る害虫がいるから、と進言してくれたのさ。」
「そうか。それは結構な話だな。」



す、と一二三の様子が変わる


「僕はAさんを全ての害悪から守りたい。」
「ほう、奇遇だな。私もだ。」






二人の間にバチバチと火花が散る


「あの子から手を引け。貴様のような奴が道楽で相手をしていい子ではない。」
「道楽…?僕はいつだって子猫ちゃんには本気さ。」
「ふん。あの子もお前の言う「子猫ちゃん」なら所詮道楽。お前に貢ぐハイエナ達と一緒よ。」
「彼女は違う…!僕は、俺は…!」
「貴様はあの子の何も知らない。苦悩も、痛みも、何一つな。そんな奴があの子を守る?片腹痛いな。」
「そうだね。僕は彼女の悩み一つ聞き出せない臆病者さ。彼女に嫌われる事を恐れてる。けどね、僕はいつだって、彼女の笑顔が見たいだけなんだ。Aさんが泣いてるなら涙を拭ってあげたい。Aさんが悲しんでいるなら慰めてあげたい。僕の行動原理はいつだってただ一人の女の子の為だけに注がれてる。君が邪魔をしても関係ない。僕は僕のしたいようにする。」

「ハッ!ご立派なご高説だな。せいぜい後悔しない事だ。」






「あの子に関わらない方が幸せだったかもしれないがな。」

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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時

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