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入間銃兎編 ダストボックスの住人Last Episode said Jyuto ページ41

「ごはぁっ…!」
俺は自分の腹を蹴りあげた女

勘解由小路無花果を蹲りながら睨む


「ふん、底辺の男に似合いの格好だな?…お前、あの子に何をした。」
「……、何の事か分かりかねます。」

「…ッッ!!このッ!」

鋭いヒールが俺の手を踏みつける

「っぐ…!!」


ぐりぐりと容赦なく手を踏みつける足を睨み、痛みに耐えていたら




ガチャリ

勘解由小路無花果の部下が入って来た

「警視総監、少しお耳を…。」
「…?何?Aが…?」
「……?」
あの人の名前に思わず反応する


そして、部屋の外から
−困ります!例え貴方様の頼みと言えど…!
−でも私、どうしても入間さんにお話が…!


バンッと扉を開けて入って来たのはAだった



『入間さんっ!』
彼女は入って来るなり俺の前にしゃがみこむ

『…酷い怪我。…無花果、なんでこんな事するの?』
「A、分かってくれ。これはこの国の為なんだ。…このような男、お前が気遣う価値などない。」
『な…!無花果の部下でしょう!?価値がないなんて言わないで!』
「しかしこいつはお前を傷つけた。」
『そんな、職権乱用よ!』
「何とでも言え。私は私のやり方を変えるつもりはない。」


彼女は鞄から消毒液とガーゼを取り出した

「お前が手当てする必要はない。…お前は優しすぎるんだ。だから馬鹿な男は付け上がる。」
『それでも、入間さんが怪我をした理由に私が関与してるならそれは他人事じゃない、私がしたくてするの。』
「全く…。」

手を止めずに彼女は口を開く

『私、まだ許しません。』
「……。」
『…許さないから。』
「そう、ですか…。」

俺は心底安堵した

彼女が昨夜の事を許していたら

俺が彼女に縋っていたかもしれなかった





あの後、彼女は一言も発する事なく部屋を立ち去った

勘解由小路無花果も後を追うように去った



許さない

その一言だけを伝えに来たのだろう

果たしてその言葉にどれだけの意味が込められているのだろうか




「ッハハ、…強い人だ。」









「…おい、ウサポリ。」
「その名で呼ぶな左馬刻。…なんだ。」
「随分趣味の良いモン付けてんじゃねェか。ウサギじゃなくてイルカか?」
「あぁ。まあ、…預かりものだがな。」
「……そうかよ。」

左馬刻はそれ以上追及してこなかった









入間銃兎編 完



ダストボックスの住人
  捨てられなかった想いの欠片

傍観者→←入間銃兎編 ダストボックスの住人Last Episode said Heroine



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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時

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