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伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp6 said Heroine ページ25

「1月の記憶がない?」
『うん。それだけじゃなくて20歳より下の記憶もないの。此処2年間の記憶しかない。』
ジャケットを脱いだ一二三君は椅子に腰かける

『私は怖い。このまま記憶が失くなってしまったら私はどうなってしまうのだろう。私の記憶が全て失くなった時、私の手元には何が残るのだろう。って。』
「………。」
『ごめんねこんな重い話!聞かせるべきではなかったよね!あ、ははは。記憶喪失とかドマラや映画みたいだね!』
「もういい。もう、いいよ。無理に笑わなくて。そんなの辛いだけだよ。」
『…無理してないよ。』
「俺っちには分かる!すげームリしてるじゃん!」
『無理なんてしてないよ。ね?だから、もう』

やめて、という言葉は一二三君の抱擁によって掻き消えた





やめて、私に優しくしないで


今君の優しさに触れたらきっと君を好きになってしまう


そうなったら独歩に悪い

裏切り



裏切り?


何故、今私は独歩に悪いと思ったのだろう

何故裏切りという言葉が浮かんだんだろう

私の中でピースが嵌め込まれていく

だって、もし、これが本当なら私、最低だ



『やめて、一二三君…。』
「やめない。」
『私、君に優しくされる価値、ない。』
「俺っちは君に優しくしたい。」
『だって、私凄く汚い女だから。』
「綺麗だよ。少なくとも俺っちは綺麗だと思う。」
『君が、困る。』
「どうして?」
『君は女性が怖いのに、私なんかに好かれたら、困るでしょ。』
「なんだ。そんな事。全然困らない。」
『嘘。』
「嘘じゃない。」
『嫌いって言って。』
「嫌だ。」
『お前なんか嫌いだって、言って。』
目が霞む

「嫌だ。」
『お願いだから…!私、に優しくしないでよ…!』
「だって俺、好きだから!」

「君の少し天然な所とか、悪戯っ子のような笑顔とか、友達思いなとことか、子供っぽいとことか、全部引っ括めて好きだから!」
『や、やめて。』
「俺っち、受け止めるから。君の抱えてる物全部。だから、」
『…やめて、それ以上言わないで…!』






「俺っちを利用して。」





あとがき
巻きました
長くなりそうだったから巻きました

伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp7 said Heroine→←伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp5 said Hifumi



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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時

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