Boys,be ambitious!【スタミュ】 (ページ11)

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幕間　従弟の和泉ちゃん2 ページ11

結論から言えば、虎石ママに気に入られた

「そうだわ！将来、和泉を貰ってくれないかしら！」
「は、はぁ！？何言ってんだよ！」
「だってAちゃん、しっかりしてるし可愛いし。」

和泉君は顔を真っ赤にして虎石ママに詰め寄っていた

『(若いなぁ。)』
私はというと、まるで他人事のようににこにこと微笑みながらお茶を飲んでいた

そもそも、従姉弟同士は結婚出来なくはないけど
多少の血の繋がりはあるから
アウトに近いセーフなのよね

まあ、彼も大きくなったら彼女の一人や二人作るだろう

こんな話、すぐに忘れるさ

そして幾年が過ぎ、私が中学3年生の頃だ

思春期を迎える真っ只中の和泉君は私に女の落とし方を乞うたのだ

私は今までの経験の中から抜擢し
和泉君にナンパ術、女子の口説き方
女子への細やかな気遣い等を伝授した

そうして彼はナンパマスターになったのだ

『若い子の行動力すご…。』
街中でたまたま見かけた和泉君は素晴らしいフェミニストに成長していた

『(感慨深いね。あの可愛いかった和泉君が甘いマスクで女子を虜にしている。)』
私はうんうんと頷いた

彼は私が育てたと言っても過言ではない

小6にしてあの色気だ
高校生になったら一体どんな人に…

そこでふと、前世の記憶が甦る

「そういえばね、私の推しはね、虎石だよ！」
『虎石？どんなだっけ。』
「この赤メッシュ！」
友人が黒髪赤メッシュを指さした
『ははぁ…、なんか、女子受けが良さそうな奴だ。でも現実では絶対彼氏にしたくないタイプだね。』
「いきなり推しをディスられた。」
『いやだって、浮気しそうだし。』
「虎石は！皆のなの！一人の女子を贔屓しないの！」
『アイドルかよ。』

思い出した

虎石和泉って友人の推しじゃん

なんかスッキリした
そうかそうか友人の好みはああいう奴なのか

あれ？でもあいつ、主要人物だよね？
私の周り、そんなんばっかだな

あの幼馴染みの双子はもう、手遅れだし
虎石和泉は、まあ、まだ間に合うかな
『…近づかんとこ。』
それから、虎石和泉とは
家族ぐるみでは会うけど、個人的に会う事はなくなった

虎石も私を口説く事はしなかった
その事に安心しきっていた

しかし
私は気づかなかったのだ

虎石が、獲物を見るような目で私を見ていたなんて

あとがき
きっと虎石は、本命の子には軽々しく口説かないと信じたい

おこめ、今週の木曜日から東京に小旅行に行きまーす