鎮魂歌を君へ (ページ4)

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小さな歌劇場ページ4

ミカエル、とアインスに呼び止められた

「何かな。僕急いでるんだけど。」

「マスターの薬を取りに病院まで行ってきてくれるか。」

「？いつもの主治医はどうしたんだい？」

「今日に限って誰もいないんだ。頼む。今手が空いてるのはお前だけなんだ。」

「…僕も暇じゃないけど。まぁ、いいよ。」

「すまんな。」

ミカエルは外に出た

ポカポカとした陽気が眠気を誘う
よい散歩日和だ

病院につき、受付のナースに話す

「し、少々お待ちください。」
少し顔を赤らめて奥に引っ込む

ミカエルは手持ち無沙汰になったので少し庭を散歩しようと中庭に出た

～♪～♪～♪

歌が聞こえた

とても美しく、澄んだ声だった

ミカエルは美しい歌声に導かれるように歩いた

そこには

ベンチに座り口ずさむ少女がいた

少女の傍らには子ども達が目を閉じ彼女の歌に聞き入っていて

ベンチの背もたれには小鳥が数羽止まっていた

まるで絵画から抜けて出てきたような神秘的な美しさがあった

陽光が彼女の睫毛の縁を彩り
髪はキラキラと輝いていた

ミカエルは見惚れていた
その美しさに

その歌声に

ミカエルの時は止まっていた

ミカエル様？というナースの声に現実へと戻る

「こちら薬です。どうかお大事にとお伝え下さい。」

「うん。…それより、彼女は？」

「ああ。Aちゃんですか。彼女の歌声素敵ですよね。よくあのベンチで歌っているんです。」

「そう。Aというの。」

ミカエルはパチパチと拍手をしながら子ども達と談笑しているAに近づいた

「素晴らしい歌声だった。」

『？貴方は？』

彼女の声は常時でも綺麗な音を出すらしい

その事実にミカエルの口角が上がる

「僕はミカエル。…音楽関連の仕事をしてるよ。」
ミカエルは咄嗟に嘘をついた

『まあ！音楽家さんですか？私、Aと言います。』

そうして二人は出会った

この日からミカエルは彼女に会いに通うようになる

あとがき
ミカエル×病弱歌姫
ミカって目見えてるんだよね？
盲目じゃないじゃん

またまた他の現代銃の夢とクロスさせることあるかも