夏祭り (ページ7)

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転機ページ7

「起立性調節障害」

熱を出したあの日から数日、病院に行ってきた大我に告げられた病名。
最近周りにも理解が深まってきた一方、
「サボり」「怠けてる」と言われることも多い病気。

簡単に言えば朝、頭が痛かったり、めまいやだるさで起きれないって病気。

子供に多い病気で、誰でもなりうるもの。

学校に行くのもひとりぼっち。

大我以外に友達と呼べる友達なんていないからずっと1人。

そんな中でも打ち込めたのが、部活だった。

＿「コンクール、一緒に出たいね」
『うん、絶対出よう』
「優勝…したいね」
『卒業までの目標だね』＿

2人でコンクールに一緒に出場して、優勝して、って大きな目標立てたのに…

俺1人じゃ絶対無理だろうな…

.

ポン、

樹「何浮かない顔してんの」
北「ぇ…っと、」
優「なんかあった？」

なんかあった、と言えば理由を聞かれるし
なにもなかった、と言えば余計心配される。
どちらかを選ぶとしたら、前者。

樹とこーちには話しても大丈夫な気がした。

北「実は、大我が…」

樹「ほーーん、なるほど。んで一緒に
コンクール出て優勝してって出来ないじゃんって思ったのか」
北「…なんでわかったの、？」
樹「楽器に向けた表情でわかるわ」
優「何カッコつけてんの。あんだけ心配してたくせに」
樹「はぁ？んなもんしてねーし」
優「照れてやーんの」
北「ふふ、」
樹「お、やっと笑ったか」
優「大我も北斗も笑顔がいちばん似合ってるよ」
樹「話ならいくらでも聞いてやるよ。こーちの奢りでジュースでも飲むべ」
優「はぁ？？まぁいいけどさぁ」
北「ほんとっ？じゃあいちごみるくがいい！」
優「可愛いなぁお前」
樹「俺カフェラテで」
優「はいよ」

.

ちょっぴりモヤモヤして憂鬱な部活も、先輩達のおかげで楽しめた。

話を聞いてもらってちょっと楽になって、

大我がより恋しくなったある火曜日。