夏祭り (ページ6)

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遅い。遅すぎる。

今日は2人で遊ぼうと約束した日。

10分以内の遅刻は想定内。

今日はもう15分経っている。

連絡手段がないから急いで自転車に乗って大我の家に。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

「大我ー？」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

何回声をかけても返事がない。

確か…

大我の親は出かけるって言ってたな、

……嫌な予感がする、何かあったらどうしよう、

幸いにも大我の家には何回も来ているし泊まったこともある。

「たい…大我、！？」
『ん…ほく、？』
「、どーしたの、」
『くらくら、する』
「あっつ…ママたちは？」
『お出かけ…ちょっと遠く行くって、』
「ママ呼びに行かなきゃ、」

そう立ち上がろうと思った瞬間、

『め、っ』
「大我？」
『いっちゃ、だめ、』

熱のせいか潤んだ瞳でそういう大我。

不謹慎だけど可愛い、、なんて思う俺はもう末期なのか、。

「電話…かけるか」

そしてここは大きなソファ。

電話がある位置はソファーからも見える。

「ここから電話してるとこ見えるでしょ？」
『ん、』
「どこにも行かないからちょっとまってて？」
『…はやく、』
「はーい」

あ、冷えピタ

「冷えピタ…っと」
『ん、なに、』
「冷えピタだよ、熱とってくれるやつ」
『っ、つめた、』
「気持ちいいでしょ？」
『うん…』

電話…ママの番号は、…

h［はーい］
「ママ、北斗」
h［あれ？大我のお家の電話？］
「待ち合わせに来なくて家来たら熱出してて」
h［あら、大我のママたちは？］
「お出かけしてて少し遠いんだって」
h［家帰って来れない？］
「大我が行くなって言うから電話したの」
h［なるほど、じゃあそっち行くね］
「うん、ゼリーとか買ってきてくれる？」
h［わかった、大我のママには伝えておくね］

『すぅ…すぅ…』

「はやくよくなりますように…」
.
.
.

それから30分ぐらい経って、ママが来てくれた。

その間大我は起きずにずっと寝ていた。

h［大我のママもすぐ来るって］
「よかった。」
h［そろそろかな？］

t［大我、！］
『ん…ん、』
「大我おはよ。ママ帰ってきたよ」
『おかえり…』
t［熱あったの気づかなくてごめんね、何度ぐらいあるの？］
「あ、計ってなかった」

体温を計って表示を見ると38.5℃。

どうにかして一日で治すと意気込んでいた大我。

もし休んでも、帰りに寄っていこうと決めたとある休みの日。

そんな日も悪くないよね。