朝一の報告 ページ42
学校に行くと、朝一番に目に入ったのは赤色と白色がくっきりと別れた髪の毛だった。
「おはよう、焦凍くん」
「ああ、おはよう。今日は爆豪いないんだな」
「校舎に入るまでは一緒だったんだけど、先生に呼ばれて行っちゃったの」
「そうか」
私は席に着くと、鞄を横のフックにかけた。
人はまだ私たちしかいなくて、あっという間に静寂が訪れる。
席は遠いし、わざわざ話さなければならない距離でもないのだけれど、2人しかいないだけに何も言葉を発さないのは少しだけ気まずかった。
「…A、」
口を開けようとした時、遮るようにして声を出したのは私ではなく焦凍くんだった。
あんまり呼ばれなれない名前に少しどきりと驚いてしまう。
ギ、と椅子が引きずられる音がして、そのあと足音が徐々に私に近づいた。
「どうしたの…？」
振り向くと、近くまで来た焦凍くんが私のそばまで来ていた。なんだかんだ、話すのは久しぶりで少しの緊張がよぎる。
焦凍くんは口籠るようにしてはっきりと言葉を口にする事はない。
「………あのね、前に『友達2人に大事な話が言えない』って相談、したよね？」
そう言うと、焦凍くんはハッとしたように私を見る。焦凍くんが言おうとしていた事もこの話で間違いないみたいだ。
焦凍くんに未時の話は知られてしまっているわけだし、もう隠す必要もないのだけれど。
やはり話すのは緊張してしまう。
「あれね、未時の事だったんだけど…寿命の事とか、ずっとお茶子ちゃんと爆豪くんに話せなくて…でもね、」
「……………」
「言えたの！…だから、ありがとう」
焦凍くんを見て微笑むと、焦凍くんは少し目を見開いてから口角を緩めた。
「…みんなが受け止めてくれる事なんて知ってたのに、わかってたのに逃げてたなんて、卑怯だよね」
「お前の素直なとこは嫌いじゃねえけど、そうやって悪いとこばかり考えるのは良くないと思う」
初めて注意されて目を丸くした。
焦凍くんは人にそういう事も言えるんだ。
くすくすと笑うと、焦凍くんの顔が穏やかになって私の頭をぽんぽんと軽く触った。
じんわり、視界が歪んだ。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
