デジャブ ページ40
重たい瞼を開けると、身体が気だるい。
そこから見える自室の天井とカーテンの隙間から漏れ出す朝の日の光。
なんだか強いデジャブを感じた。
徐々に覚醒する頭で爆豪くんの事を思い出して、ばっと起き上がって横を見る。
…けれども、そこに爆豪くんの姿はなかった。
触って見ても、布団に体温は残っていない。
「………夢？」
自覚してからカッと顔が熱くなった。
付き合ってもいない人の事でこんな夢を見てしまうなんて、はしたないにもほどがある。
心の中で爆豪くんに何度謝っても足りないくらいだ。
(ばかばかばか…っ)
そんな思考を振り払うように頬をペシッと叩く。
もうあんな夢の事なんて忘れてしまおう、と立ち上がって部屋から出た。
歯を磨いてから洗面所で顔を洗うと、鏡に映る自分の顔に眉を寄せる。泣きすぎて腫れた目がなんとも痛々しい。
泣いて目が腫れてしまうのは時々あるけれど、今日のはいつにも増してひどい。
…ああ、爆豪くんに見られたくない。
とは言いつつ、お腹は空くしご飯は食べたい。
リビングの扉の前で立ち止まり、ドアノブに手を伸ばした。
ガチャリと扉を開けると、朝ごはんを作り終えたらしい爆豪くんがソファーに座っている。
こちらを振り向く爆豪くんに、私は慌てて前髪を整えるふりをした。
「お、おはよう…」
「おう、そこにあるもんあっためて食えよ」
「…はーい」
幸い顔は見られていないらしく、私はホッと息をついてキッチンのパンを取り出してトースターに入れた。
できたものを持って席に着くと、チビチビと食べ始める。
今日の朝ごはんも美味しくて、それが当たり前になってしまっているのに罪悪感を感じた。
「ひでえ顔」
「っ、ば、爆豪くん…！」
いつの間にか隣に座っていた爆豪くんは鼻で笑って私の目元を見る。
とっさに隠すけれど、もう遅いと思って諦めた。
爆豪くんと目を合わせないように朝食を食べ進めると、不意に爆豪くんが私の腫れた目の下をするりとなぞった。
少しだけヒリヒリと痛んだけれど、爆豪くんに触れられているのがなんだか嬉しくてそれを拒む事はしなかった。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
