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その日の夜のことだった
「っ、はぁ・・・は、くる、し・・・」
全身が、燃えるように熱い
生理的な涙が溢れて止まらない
「ショウ・・・」
誰かの手が僕の手に重なる
平熱のはずのそれが、とても冷たく感じる
「突然、こんな高熱を出すなんて・・・あんなに元気にしていたのに」
あの後
僕の部屋に戻ってから、サトシくんにニノからの手紙を渡した
サトシくんはそれを読んだ後とても大事そうに胸に抱いたから
僕は何て書いてあったのとも、それを読ませてとも言えなかった
明日、僕を讃える宴を開くとサトルたちに言われて
お願いだから止めてほしいと必死に頼んで、笑いながら過ごしていたはずだった
「良い状態とは言えない。これ以上熱が上がると脳への障害が残るのは間違いない」
高熱に魘されながらも、医者の言葉がはっきりと聞こえた
段々みんながかけてくれる言葉に反応できなくなる
みんなは僕の意識がもうはっきりしていないと思っているらしく、段々と啜り泣く声が聞こえ始めた
「大変言いづらいが、恐らく今晩が峠になるだろう」
「っ、何でだよ！ショウ！！」
ああ、僕の為に泣かないでよ・・・
必死に持ち上げた瞼
みんな、下を向いてぼろぼろ泣いている
嫌だな・・・こういう雰囲気、好きじゃない
瞼をうっすら持ち上げるのもすごくきつくて、閉じてしまおうかと思った刹那
ふと、誰かと目が合う
サトシくん・・・
サトシくんだけは、僕を真っ直ぐに見つめていて
その後僕の瞼が降りるまでずっと、目がそらされることはなかった
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しゅり(プロフ) - 乃絵さん» コメント有難うございます。乃絵さんの心に触れる作品を書けたこと、嬉しく思います。悲しい終わり方だけれども、どこか救われるものがあればいいなと思い書いた作品なので、素敵な感想頂けて安心しました。楽しんでいただけて何よりです！ (2016年5月13日 10時) (
レス) id: 642534afe5 (このIDを非表示/違反報告)
乃絵(プロフ) - 完結おめでとうございます。世界観に引き込まれて読んでいました。中心の3人がそれぞれの優しさで世界を動かし、胸が詰まる思いでした。先の世でカズナリとサトシ、出会えるといいなと思います。読ませていただいてありがとうございました。 (2016年5月1日 14時) (レス) id: 40036218a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2016年4月15日 19時
