思い起こす非日常 ページ36
長い話になるからと、椅子を勧めてくれた二宮さんに礼を言って、部屋の中央まで戻って腰を下ろす
何から話しましょうかね、と呟いた二宮さんに、俺は一つ疑問を投げかけた
「なあ。きっと分かってんだろうけどさ、俺はほんの一月前まで、翔くんとスマホでやり取りしてたんだ。でも、翔くんがああなったのって、もっと昔の話なんだろ？」
「ええ。五年前から、翔ちゃんはああして眠っています」
何度も出てくる“五年前”のその言葉に、ぴくりと反応した俺を見て、そうですね、と前置きをすると
「事件が起きたのは五年前のことですが、全ての始まりは今から十年以上前・・・私と翔ちゃんが出逢った頃まで遡ることになります」
二宮さんは、帰国子女なんだそうだ
向こうの大学で、俺にはよく分かんねえけど、プログラミング関係の博士号を飛び級で取得して、日本に帰って来たのが十九の頃
今もお世話になってる研究所の所長から、凄い子どもがいるって話を聞いて訪ねてったのが、当時まだ小学生だった翔くんの所だった
「翔ちゃんは、どこにでもいる普通の子でした。勉強が出来て、スポーツは少しだけ苦手で、友達もそれなりに居て。・・・ですが、一度パソコンを触らせてみれば、大の大人が二週間かけて解読するプログラミングを、僅か半日足らずでやってのけてしまうような、まさに神童と呼ぶに相応しい子供でした」
二宮さんは翔くんの才能に惚れ込み、独学でやって来た翔くんに色んな基礎知識を教え込んだ
翔くんもそれを素直に吸収し、ときに応用して
ただでさえずば抜けていたプログラミングの能力は、直ぐに他者の追随を許さないほどに成長してった
「私はやがて翔ちゃんを研究所に招待するようになりました。最初は見てるだけだったのが、徐々に小さな仕事を手伝わせて見たり、一つの依頼を丸ごと任せたり・・・。そうしているうちに、翔ちゃんの存在は多くの企業や国の知るところとなっていました」
そうして翔くんは、どんどんプログラミングの世界にのめり込んで行く
それは、全てを教えた二宮さんが不安になってしまうほどの食いつきようだったらしい
翔くんの才能は、やがて翔くんの安全を脅かすほどにまで、到達しちまってた
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しゅり(プロフ) - みーこさん» みーこさんお久しぶりです(*^^*) また足を運んでもらえて嬉しい限りです！ そうなんです、いるんですよねこれが。笑 (2016年12月1日 9時) (
レス) id: 866caf6267 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - (ノ゜ο゜)ノ おお、二宮さんがここに！ (2016年11月30日 1時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - なおっちさん» なおっちさんはじめまして！更新を楽しみにしていただけて、本当に嬉しいです！ 私も元々読む専だったので、ワクワクするお話だと言ってもらえるのは本当に有難いです。後編も是非目を通してもらえたらと思います。コメントありがとうございました！ (2016年11月24日 1時) (レス) id: 866caf6267 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - 碧李さん» うふふ、期待通りの反応でにやにやしちゃう！笑 こんな拙い文章でそこまで読み取ってもらえて嬉しい限りです(´∀｀*) 後編も怒涛の駆け足更新だけど、楽しんでもらえますように！ (2016年11月24日 1時) (レス) id: 866caf6267 (このIDを非表示/違反報告)
なおっち(プロフ) - はじめして。なおっちと申します。とても不思議なワクワクするお話で更新を楽しみに待ってます。お忙しいと思いますが、後編頑張って下さい。私は文才なしの読む専門です。(泣) (2016年11月23日 14時) (レス) id: 9f0727f700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2016年11月11日 2時
