＊ ページ32
「翔くん・・・」
やっぱり、よく似た違う話だったんだろうか
あんなに自信満々に出発したってのに、こうも手掛かりが見つからないと、徐々に弱気の虫が表に出てきちまう
こんなんじゃダメだと、とりあえず重い荷物を床に置かせてもらって、
気持ちの切り替えにでもと、うろうろと部屋ん中を歩いていて、ふと目に付いたのは
「おお、ちっこい二宮さん・・・」
何でこんなとこに飾ってあんのか、部屋の片隅で見つけたのは二宮さんの小さい頃の写真だった
俺とほぼ同い年のはずなのに、小学生くらいの頃の写真とほとんど変わんないんじゃないかってくらい、幼い顔立ちの二宮さんの写真は、見てて中々面白いもんがあった
長年の島暮らしで積み重なってきたんだろう、写真立てに積もった埃を指でさっと払いながら、五つあるそれらを全部手にとって眺めていく
けれど、そこで目に付いたのは
「ん？何でこれだけ伏せてあるんだろ」
他と違い、一切埃を被ってないそれは、どこか不自然で
何となく、触っちゃいけねえ気がしながらも、恐る恐ると手を伸ばす
そうしてひっくり返したそこに写ってたのは、今とほとんど変わらない格好をした二宮さんと、若い青年の姿
写真を撮られた場所はすぐに分かる
さっき俺も通ってきた、この研究所の正面玄関だ
それを背景に、二人揃って白衣を羽織り撮られたその写真の日付は、約十年前のもの
「この人・・・」
二宮さんの横に立つ青年は、まだあどけなさの抜けない子どものような笑顔を浮かべていた
風に吹かれるのを嫌ったのか、右手でそっと押さえてる柔らかな黒髪は、癖があんのか潮風にさらわれてゆるくウェーブがかってる
きゅっと上がった口元は驚くくらいに鮮やかに色づき、きらきらと光を受ける瞳は溢れそうなくらいに大きい
その、見ず知らずの青年の写真から、俺は何故か目が離せなくなってた
そのせいで
「あらら。見られちゃいましたか」
「っ！」
二宮さんが背後まで迫ってたことに、少しも気づかなかった
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しゅり(プロフ) - みーこさん» みーこさんお久しぶりです(*^^*) また足を運んでもらえて嬉しい限りです！ そうなんです、いるんですよねこれが。笑 (2016年12月1日 9時) (
レス) id: 866caf6267 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - (ノ゜ο゜)ノ おお、二宮さんがここに！ (2016年11月30日 1時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - なおっちさん» なおっちさんはじめまして！更新を楽しみにしていただけて、本当に嬉しいです！ 私も元々読む専だったので、ワクワクするお話だと言ってもらえるのは本当に有難いです。後編も是非目を通してもらえたらと思います。コメントありがとうございました！ (2016年11月24日 1時) (レス) id: 866caf6267 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - 碧李さん» うふふ、期待通りの反応でにやにやしちゃう！笑 こんな拙い文章でそこまで読み取ってもらえて嬉しい限りです(´∀｀*) 後編も怒涛の駆け足更新だけど、楽しんでもらえますように！ (2016年11月24日 1時) (レス) id: 866caf6267 (このIDを非表示/違反報告)
なおっち(プロフ) - はじめして。なおっちと申します。とても不思議なワクワクするお話で更新を楽しみに待ってます。お忙しいと思いますが、後編頑張って下さい。私は文才なしの読む専門です。(泣) (2016年11月23日 14時) (レス) id: 9f0727f700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2016年11月11日 2時
