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空高くに昇る太陽は、春の陽気とともに心地よい温度で世界を柔く包んでいる
昼下がりの、穏やかな空気
忙しなく飛び交う鳥の羽ばたきと、爽やかに吹き抜ける風の音
ほんと一時の休息を終え、午後からの仕事へ舞い戻らんと動き始めた、無数の白衣姿が行き交う見慣れた景色
いつも通りの日常
だけど、いつもとは確かに違う今日
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医局の入り口まで辿り着いたときには、昼休憩の残り時間もほんの僅かになっていた
潤くんはこのまま医局へ、そして俺は午後の外来へと、戻らなければならない
別れ際、また今度ゆっくり集まろうと約束を交わして、そのまま扉の先へと向かう背中に、俺は思わず声を掛けていた
礼儀正しく振り返った潤くんのその視線が俺に向くのを待ってから、数歩の距離を詰め、そっと右手を差し出す
「これから宜しくね。期待してますよ、櫻井先生？」
「・・・はい。精一杯、頑張らせていただきます」
力強いその言葉と共に、潤くんの右手が伸ばされる
しかと握り返してきたその掌は、記憶にあるよりも随分と大きく逞しく、彼が・・・“彼ら”が、もう護られるだけの子どもでは無いのだと、ふいに強く理解させられたような気がして
なんて事ない普通の、至極当たり前の事の筈なのに、それが酷く尊い事のように感じて、思わず胸が詰まるのを誤魔化すように、最後にもう一度だけぎゅっと力を込めてから、握手を解いた
「じゃあ、またね」
「はい、また」
そうして、今度こそ踵を返す
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遠いあの夏、まるで小さな迷い子のように不安に瞳を濡らしていたあの子達は、もういない
それがやけに嬉しくて、何だかほんの少し寂しくて
だけどそれ以上に、新たな期待に胸が膨らむ思いがして
「本当に、おめでとう。翔ちゃん、潤くん・・・」
それぞれ異なる道を歩み出し、未知なる世界を征く彼らの門出
その人生の旅路にまた関わることができる歓びを噛み締めながら、俺もまた、大きく一歩を踏み出した
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しゅり(プロフ) - きよさん» きよさん、今作も読んで頂きありがとうございます！ジャニフェスに舞台挨拶に、松本さんは大忙しの年末ですけど、是非5人でまったりな時間も送ってもらいたいですね(^^) 今年はたくさん足を運んで頂きありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年12月31日 22時) (
レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - しゅりさん、お久しぶりです。年の瀬に仲良し五人のお話しをありがとうございます。ほっこりします！お話しのように五人で過ごしてほしいですが、松本さんは忙しいでしょうが、初めてかもしれない家での年越しを楽しんでもらいたいです。来年もよろしくお願いいたします (2021年12月30日 18時) (レス) @page31 id: cfa505a5e1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - はるさん» 素敵な感想を頂いていたのに、すぐにお返事できず大変失礼しました。今後も不定期な更新ではありますが、楽しみにしていただければ幸いです。コメントありがとうございました！(^^) (2021年6月17日 18時) (レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - はるさん» はるさん、コメントありがとうございました！狙い通り引っ掛かって頂けて、作者としては嬉しい限りです。私も大野くんは口数は決して多く無くても、凄くハッとする様な事を言ってたりする印象だったので、凄く共感しちゃいました。 (2021年6月17日 18時) (レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - きよさん» ちょっと切ない雰囲気なので、好き嫌いがハッキリしちゃうかと思ってたんですが、好きだと言ってもらえて嬉しいです！なかなか感謝の言葉をお伝え出来ずにすみませんでした。不定期更新ではありますが、今後も楽しみにしていただけると幸いです(^ ^) (2021年6月17日 18時) (レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2021年4月14日 20時
