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「ありがとうございました。故郷の話ができる機会なんて、中々ないから。色んな話を聞かせてもらえて、楽しかったです」
「そう言われると、俺も嬉しいです。・・・それじゃあ、頑張ってる若者へ。これは、俺からの贈り物です」
はい、と和也さんから手渡されたのは、金色の懐中時計のような物
「二十年前、再会を誓って俺が預かってた物なんです。それも今日、無事果たすことが出来ました。特別、何か役に立つわけでもないですけど、良かったら受け取って下さい。美味しいお茶のお礼と、未来の優秀な学者さんへの激励も兼ねて。ね？」
言われるがままに、小さな留金を外してかちりと蓋を開く
そこにあったのは、ぐるりと盤面を囲む十二の月の満ち欠け図と、中央には光り輝く粒子の詰まった半円
そっと指で辿れば、一瞬、見覚えのない光景が脳裏に浮かぶ
果たしてそれが何なのか、考えるよりも先に頭には霞がかかって、正体を掴むには手が届きそうもない
だけど、胸の内に宿ったのは、ふわりと心地よい温もりと確かな幸福感で、決して嫌な記憶ではないのだと分かる
やけに手に馴染むその輝きを、俺はもう一度、ぎゅっと強く握りしめた
「ありがとう、ございます。・・・俺、頑張ります。絶対合格して、それで、今度は俺が会いに行きます。これに誓って、必ず。だから、その時はまた、一緒にお話しさせて下さい」
「ふふ、今度は俺が待つ番か。・・・楽しみにしてますね。約束、ちゃんと守ってよね、潤くん」
「はい、勿論です」
今度こそ、さよならと手を振り合う
右手の中の確かな重みが、冷たい金属の感触が、けれども俺の心を熱くする
「それじゃあ、またね！翔さん、潤くん！」
去りゆくその背中に、またねと笑うその顔に、俺の名を呼ぶその声に、どこか懐かしさを感じた気がしたけれど、どんどん小さく見えなくなる姿と共に、それも直ぐに遠退いてしまった
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しゅり(プロフ) - きよさん» きよさん、最後までお付き合いいただきありがとうございました！ 出来るだけハッピーエンドを迎えられるように、と思っていたので、そう言って頂けて嬉しいです。型破りな自由奔放神父様を感じて頂けてありがとうございます笑 素敵なコメントありがとうございました！ (2021年2月13日 19時) (
レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - しゅりさん、完結おめでとうございます。アポロ様どうしたらいいか解らなくなってたんですね。ちょっとツンデレ気味？智くんの神父様は、何にも縛られない智くんならではの素敵な神父様なんだろうなと納得です。潤くんも生まれ変わって、みんな幸せで良かったです。 (2021年2月9日 20時) (レス) id: d9af776466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2021年1月19日 18時
