大学2年生・春 ページ33
三度目の大学生活では、はじめて二人でファミレスに入った。
連絡先も追加した。いままで散々断っていたのに、と不思議そうな顔をしていたけど、理由を話す訳にもいかない。
せめて友人で居させてほしい、なんて。
「宇津橋さ、なんで私のこと嫌いなの？」
メニューを眺めていると、不意にそう聞かれた。
「なんでやろな」
「納得できないんだけど」
「決まった？」
「えっまだ、待って。って、話そらさないで」
頬を膨らませるその仕草をみると、思い出す。
「あざといからやめえや」って僕が言うたら、「え、それ私のことかわいいってすこしでも感じたんじゃない？」ってニヤニヤして言ってきたことがあった。
ホンマお前ハート強いよな。あのときも、今も。
追求するのはあきらめたらしく、メニューとのにらめっこを再開する。優柔不断よな、お前。悩んだあげく結局オムライスかよ、って突っ込んだことが何度もあった。いま思うとそれすら愛おしかった。
「決めた、やっぱりオムライス」
目の前からそう声がして、思わず凝視してしまった。
「……宇津橋？」
丁度いま、前のお前がそうだったと思い返していたのだから驚くに決まっている。
「……あ、いや、別に」
やっぱりお前はお前やな。ホンマ、参るわ。
じっと見つめられる。見透かされそうな気がして、視線をはずした。
「なんでたまに、そんな風に悲しそうな顔するの」
ほら、そうやって。
かなしそうな顔、しとったかな。しとったか。そりゃそうやな、すぐ感傷に浸っとったし。
「それは、私が嫌いなことと何か関係ある？」
真剣な顔でそう言われた。
関係あるし、嫌いなんて嘘だ。
でもこの思いをぶつけたところで、信じられるか？もし信じられたとしてどうする？お前のこと好きやから、お前のこと嫌いってことにしてんねん、って？言えるか。
「ないよ」
「本当？」
「ない」
嘘を見抜こうとしているのか、じっとこっちを見ている。しばらく経つと、頬杖をついてふっと笑った。
「なんや」
「今はまだ、このくらいで勘弁してあげよう」
勘弁して。
僕がちゃんとお前を拒絶できんくなるやろ。
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千白は山に住む(プロフ) - 凡人さん» ありがとうございます！私もお気に入りで、昔かいたものなのについ番外編を書いてしまいます！そう言っていだだけるのならここに更新しに来てよかったー！と思えます！ありがとうございました！ (2020年6月20日 9時) (
レス) id: 392f79c1f8 (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - bhさん» 長らくお返事できていなくてすみません！ありがとうございますー！ (2020年6月20日 9時) (レス) id: 392f79c1f8 (このIDを非表示/違反報告)
凡人(プロフ) - 更新されていてびっくりしました。私が本当に大好きなお話です...ありがとうございます！ (2020年6月5日 18時) (レス) id: 0a526fe040 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです、これからも応援しております。 (2020年3月15日 0時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - 水澪恋さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました！あげて落とす仕様でしたが楽しんでいただけていたら本望です！ありがとうございます、今後もがんばります(*^^*) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
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