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地縛霊 ページ3

どうにか見つからずに済んだが、私は私の行動が信じられない。

逃げた先でさっきの幽霊の男の子を見かけた。

自分が死んでいることに気づいていないタイプの地縛霊なのだろうか。


(あの地縛霊の行動範囲広くない?)


この危機的状況、いますぐに命が散っても惜しくはないと思い始めた私は

その地縛霊の後を追ったのだ。


ぶっちゃけ大人になれば誰しも諦めは早くなると思ってる。


しかし、早々に自分の行動に後悔することになった。

ついて行った先で、地縛霊は別の方法で自 殺してしまったのだ。


(何で……!?まさか本当に飛び降りで死に損なったから

別の方法で……二重自 殺(?)!?)


今度は落ちていた錆び付いた鎌で首を切りつけたのだ。

リアルでこんな流血沙汰を見たのは初めてだったが、

さっきのこともあり衝撃は小さかった。

死んでいてもおかしくないのに、再び立ち上がってどこかへ行こうとする

子供の後ろ姿を見て、私は1つの可能性を感じた。


私はただ過去に遡ったのではなく、ファンタジーな世界に

スリップしたのではないかと。


(昔はおとぎ話が多かったみたいだし、、実はこういうのが

本当にあったりして……?いやいや、まさか)


どうせ行くあてもないし、今の時代の人たちと意思疎通などできるとも思わない。

むしろ、今の私には味方など一人もおらず、

作る方法さえ得られていないのだ。

あの子供がとんだ化け物で、自分に襲いかかってこようとも

そこで命尽きれば解放される。


(こんな考えはあまりよくないと思うけど……

もし本当にファンタジー世界なら楽しまなきゃ損だよね!!)


私はとてもお花畑です。

アイム ベリー フラワーガーデン。


「ま、待って!そこの……僕?子供!君!?」


名前も知らない子供相手になんて呼べばいいのか分からず、

テンパった私は思いつく限りの呼び方で呼び止めようとした。


振り返った子供は酷く虚空な目をしていて、

私と目が合ってるはずなのに合ってる気がしない。

そのことにも少し背筋が寒くなったが、改めて近くで見た子供の体が

どこも透けておらず、人間にしか見えないことに安堵した。


(やっぱりここはファンタジーの世界で、

この子のステータスは多分"不死"なんだろう)


現実的では無いことに慣れなくて、やっぱり少しだけ怖かった。

それでも、私は独りを脱したかったんだ。

独り→←幽霊と人間



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作者名:ウェイウェイ | 作成日時:2024年3月5日 16時

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