初のスリップ体験 ページ1
みなさん、初めまして。しがないOLです。
突然ですが私はタイムスリップしたようです。
夜食を買いにコンビニへ出て、その帰りにマンホールに落ちました。
夜道は暗いから気をつけてください。
いつか蓋の開いたマンホールに落ちますよ。
「いやいや、何で?どういうこと??
真面目に働いていただけの一般人が食らう理不尽さどうにかならない?」
虚空に文句をたれても聞いてくれる人さえ誰もいない。
落ちた後、なぜか入口がなくてかろうじてある一本道を辿っていけばここに着きました。
私が推察するに江戸時代より前。
見かける人々が着ているものは着物ですらなく、
1、2枚の布を来ただけみたいな格好。
いつの時代かはわかりません。歴史弱者なので。
(っていうか……明らかに石器時代とかそんな感じの衣装だよね。
いや、そんなに昔ではないか……半裸ってわけじゃないし)
一本道で見つけた綺麗な石もどこかへ落としてしまったようで、
お金に替えられるものがない。
(あの石めっちゃ綺麗だったのに……!
宝石の類だったに違いないのに!!)
不安を抱えたまま進んでいた一本道で、やけに輝く石があったのだ。
青緑に光るそれをしばらく見つめていれば、ほぼ無意識にポケットへしまいこんでいた。
ここが現代ではないと気づいた瞬間、あの石をお金に替えることを考えた。
(来た道を戻って探してみたけど、自然の多いこんな場所では
都合よく見つかるわけもない……)
かなり落ち込んだが、その次に危機感を覚えたのは食糧についてだ。
現代でぬくぬくと育った私はサバイバルなんてしたことがない。
普通に仕事に就いて働いていた私が再びお金を稼ぐ方法を得るためには、
この時代に溶け込むところからの再スタートなのだ。
辛い。辛すぎる……。
そんな私が今どこにいるかというと、山の中の山道。
その途中で座り込んでいた。
やってられない。
スマホは繋がらないし、財布だって無意味だ。
……無意味なことはないのかな。
この硬貨は高価なものなので何かと交換してくださいませんか、とか言えば
上手いこと事が運ばないだろうか。
そんな妄想をしていれば、お腹の虫が鳴いた。
「だれかぁ〜……食糧を恵んでくだ」
瞬間、すぐ隣でゴシャッと音がした。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ウェイウェイ | 作成日時:2024年3月5日 16時