Sugar Love128 ページ30
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あ「…っと…な、茄橋さん…？」
「顔上げて」って言おうとして、
陽「文化祭の日、いきなり水かけちゃって…。
あの後頭冷やしたの。
改めて思い返すとAちゃんに
酷いことしちゃったなって反省した。
ネックレスの件もお母さんの大事な形見って
知らなくて…投げてごめんね…っ、」
遮られて、話を続ける。
陽「謝ったとしてもあたしのしたことは
許してもらえないかもしれないけど…っ
ううん。許してもらおうなんて思ってない。
ただ、Aちゃんにちゃんと謝りたかったんだ…」
「ほんっとごめんなさいっ！」と
もう一度謝る茄橋さんは瞼に涙を溜め、
今にも泣き出しそうな表情をしていた。
彼女のその言葉に心がジワ〜と温かくなってく。
まさかわざわざ学校まで来て、
それが紫耀に会うついでだとしても、
ちゃんと謝ろうという姿勢が凄いなって。
恋は盲目、とよく耳にする。
相手への気持ちが強ければ強いほど
周りが見えなくなる。
知らないうちに周りを傷つけて
それにずっと気付かなかったらそれまでだけど、
一度冷静になって気付けた茄橋さんは
本当は良い子なんだと、感じた。
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あ「…もう気にしてないよ。
その気持ちだけで私は嬉しい。」
…それに対して私は、
どうしてこんなにも醜いんだろう。
真っ直ぐな彼女を見て自分の醜さが
改めて分かる。
好きな人に真正面にぶつかって
アピールしてる茄橋さんに苛々して。モヤモヤして。
そんな自分が嫌いになった。
性格悪いなぁ…私。
陽「Aちゃん優しい…っ！
ありがとう〜！ごめんね〜！」
あ「わ…っ！ちょっとっ、危ないよ。あははっ」
いきなり抱き着かれた勢いで、危うく後ろに
倒れそうになった。
感謝の言葉を連呼する茄橋さんに対して
笑いが吹き零れる。
廉「女ってよう分からんな。
複雑すぎやわ。」
紫「まぁええやん。
平和が一番やで。」
.
…私は、優しくなんかない。
みんなが思ってるほど良い子ちゃんでもない。
今日で気付いてしまった。
自分は、ただの偽善者なんだって。
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作者名：rion
| 作成日時：2018年11月27日 16時
