Sugar Love127 ページ29
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金曜日の放課後。
廉「なぁ、紫耀。」
教室の窓を眺める廉が紫耀を呼ぶ。
紫「なにー?」
廉「門の前に陽葵ちゃん立ってるで。」
紫「は?」
廉の言葉に紫耀も窓を覗く。
"陽葵"という名前に体が反応して、
さりげなく私も確認するように窓を覗いた。
文化祭の日以来、姿を現さなかった茄橋さんが
今日は珍しく門の前に佇んでいる。
また紫耀連れて何処か行くのかな…なんて
思いながら紫耀をチラ見して。
何故か気持ちが沈んでいく。
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紫「陽葵どうしたの?」
昇降口で外履きに履き替え、
茄橋さんに声掛けた。
陽「紫耀くんっ!久しぶり!」
こちらに振り返った茄橋さんは、
紫耀見つけた瞬間パァと表情が明るくなり、
掛け寄る。
その姿が私の心臓をきゅーっと締め付けた。
陽「あのねっ、
今日は伝えたいことがあって来たの。」
紫「伝えたいこと?」
陽「週明けの月曜日の放課後、空いてる?」
紫「月曜の放課後…おん。空いてんで。」
陽「よかった。じゃあ月曜日の放課後、
学校終わったらこっちに来るねっ」
…なんだ、デートのお誘いか。
そんなのわざわざ来て言わなくても
LINEで聞けばいいのに。
紫耀の後ろで静かに二人のやり取りを見てて
苛々し出してることに自分で気付く。
二人にとってお邪魔だと思った私は、
あ「廉、行こ。」
廉の袖を引っ張ってこの場から
立ち去ろうとした。
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茄「Aちゃん待って!」
茄橋さんの横を過ぎようとした瞬間、
腕を掴まれ、引き止められて。
突然の出来事に目を丸くして、茄橋さんを見る。
茄「あの…」
目は伏し目がちに、何か言いたそうな雰囲気なのは
見てて察した。
茄橋さんの言葉を黙って待ってたら
茄「あの時はごめんなさいっ!!」
いきなり声を張り上げ、頭を下げて
謝ってきた。
…え?
唐突すぎて瞬きしながら茄橋さんを凝視する。
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作者名:rion | 作成日時:2018年11月27日 16時