ヴァンパイアと少女の残酷で、暖かい昔話…【蒼井翔太】

第53話 ★ 大人びた…。 【過去】 ページ8

賢章「空、気持ちよさそうに寝てるよね…。初めてだよ。知らない人の腕でこんなに気持ちよさそうにしてるの。」

翔太「…はぁ、まったく、お前たちは警戒心っていうものがないんだよ…。」

賢章「はいはい。でも、でもね？それはしょーたんだからだよ？ショーたんだから俺達は安心してこの身をまかせられるんだ。」

…賢章は、いつも俺のことを尊敬して、こんなふうにいってくれている。でも、俺は、賢章よりも遥かに弱い人間だ。

賢章「…ねぇ、しょーたん、気づいてる？最近、しょーたん、ちょっと大人っぽくなったよ？」

翔太「え…。」

賢章「前より、少し大人びた顔つきになった。それに…最近、魔力、使えてるの？」

翔太「…そういえば…最近使えてない。」

最近、力が弱くなってきている気がする…それに、前まで怪我したら、一日で治っていたのに、今は一週間でやっと治るくらいだ…。

賢章「…そう…。」

賢章は静かに目を閉じた。

賢章「もしかしたら、もうその時が近くなってきてるのかもね…。」

翔太「かも、しれないな…。」

その時…。俺は、どう受け入れられる？

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