ヴァンパイアと少女の残酷で、暖かい昔話…【蒼井翔太】

第７０話　★　手紙・・・。　【過去】 ページ25

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
”親愛なる人、佐藤翔太様”

もうこの手紙を読んでくれているってことは、きっとおれの最後の願いをかなえてくれたということ
ですね？こんなことを親友の君に頼むのは、ちょっと心苦しかったけど…。でも、こうかいはしてな
いよ？俺は、翔太の手で、終わりたかったから…。

俺たち、きっとまた生まれ変わってから会えると思うんだ！なんとなくだけど、そんな気がする！
翔太は、自分からさ、人間じゃないからって俺たちのそばに寄りたがらなかったけど、本当は俺、もっと翔太と一緒に遊びたかったよ？そんなの、気にしなくてもよかったのに…。翔太のバーカ(笑)
来世では、どんな俺達なんだろうね？まだ翔太は吸血鬼で、昔みたいに俺が子供の時に会うのかな？
それとも、もう二人とも人間として生まれ変わってそれぞれ歩いてるのかな？…もしかしたら、俺が次、吸血鬼になってたりして…(笑)

しょーたん、約束してほしいことがあるの。もし、もしも俺たちが来世であってね？俺がしょーたんのこと忘れてたら、思い出させてほしい…。…まぁ、俺に限ってしょーたんのこと忘れるなんてこと、ないと思うけど…(笑)

それとね？覚えておいてほしい。翔太は、一人じゃないってことを…。Aや、空たちがいる。前も言ったでしょ？一人になるなって。覚えてない？きっとまた、変なこと考えてるんだろうけどそんなのいちいち考えてたら前に進めないよ？俺たちがそばにいる…。そのことは、忘れないで…。

きっとまた、来世で会える…。皆で！会おうよ！

　
　 小野賢章
　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

…。なにが来世でまた会おうよだよ…。そんなの、１０００分の…いや、何億分の１の確率だろーが…。

それに、お前が生まれ変わっても、俺は多分、神が生まれ変わってのうのうと生きるなんて許さいとおもうぞ…。

きっと、地獄だろうな…。

翔太「ッ…！いッ…！」

なんだ、この体の痛みは…。

翔太「…！かっ…はぁっ…！！」

熱い…！体が、焼ける…！

俺は横にあったカーテンを思いっきり閉めた。

翔太「はぁ…、はぁ…。おさ、まった…？」

腕を見ると、ひどくただれていて血まみれになっていた。

翔太「…嘘だ…！なんで…。」

第72話 ★ 俺には… 【過去】→←第69話 ★ 約束は、守る… 【過去】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す