ヴァンパイアと少女の残酷で、暖かい昔話…【蒼井翔太】

第69話 ★ 約束は、守る… 【過去】 ページ24

賢章｢ううん。なんでもない。行ったら、わかるから…。｣

翔太｢…わかった…。本当に、いいんだな…？｣

賢章｢…うん。空と、香菜のこと、よろしくね？｣

翔太｢…あぁ…。親友との約束だからな…。約束は守るよ…。｣

賢章｢…！親友って、言ってくれるんだね…。嬉しいよ…。ありがとう…。｣

賢章は微笑みながら目を閉じた。
俺はゆっくりと、歯を賢章の首筋に立てた。

翔太｢…。これが、お前からの最後の頼みだなんてな…。俺はてっきり、友達をやめて欲しいとか、もう関わらないで欲しいとか…。そんなんだと思ってたよ。｣

横で冷たくなった“親友”を見て、俺は小さくため息をついた。

翔太｢記憶、消さないとな…。｣

俺は空や街のヤツらから賢章と“俺”の記憶を消した。

翔太｢悪いな、空達を頼むって言われたけど…。俺は…本来あそこにいるべきものではない…。｣

俺はソファに賢章を座らせるように置き、病室へと向かった。

翔太｢…引き出し、だったな…。｣

引き出しを開けると、シンプルな白い封筒があった。

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