ヴァンパイアと少女の昔話…【蒼井翔太】

第29話 ★ なんだよ、話しって… 【過去】 ページ32

街に降りると、いっせいにと俺のことをその場にいたヤツらが見てきた。

翔太｢…で、わざわざ森から街に降ろさせてなんのよう？｣

俺がそういうと、街の人であろう男性1人が俺の前に来た。

街人｢お礼がしたかったのです。あんなふうにこの子を守ってくださるなんて思わなかったので…。｣

翔太｢別に、他人を巻き込むのは嫌いだし、あーなったのは俺のせいだから、お礼なんて言われる筋合いはない。｣

街人｢はい。ですが、どうしても言いたかったのです。｣

何それ、変なやつ。

翔太｢…。｣

街人｢それに、私達はあなたのことを少し勘違いをしているようです。少し、話したいのです。お連れ様とも…。｣

貴｢私と、ですか…？｣

翔太｢…。｣

賢章｢僕も話したい！！｣

翔太｢…え。｣

なんでこいつ、こんなに目をキラキラさせて俺のことを見るんだろう…。

賢章｢しょーた兄ちゃん俺のこと助けてくれたヒーローだもん！｣

…ヒーロー…ね。

翔太｢…はぁ。…いいよ。何を話すか知らないけど…。｣

そう言った瞬間に町の人たちの目が明るくなった。

俺はその街の中にある小さなカフェに呼ばれた。

翔太｢で、長くなるの？おれ、夕方には帰っていないと…。｣

街人｢そうなのですか？では、手短に話させていただきます。｣

街人と男の子が向かいの席に座った。

街人｢私達は、ヴァンパイアというのは人間の血を欲する恐ろしいバケモノだと思い込んでいたのです。そのため、昨日のあなたが血を飲まれた時に皆は動揺して、逃げないと殺されてしまうと思い込んでしまったのです。｣

翔太｢…。｣

街人｢なので、あのような騒動を起こしてしまい…。大変申し訳ありませんでした…。｣

翔太｢…怪我人は？｣

街人｢…警察からの流れ弾にあたって、女性2人と男性1人が重軽傷を…。｣

翔太｢…その病院は？｣

街人｢ここから車で20分程度のところです。｣

翔太｢…案内して。｣

街人｢…え！？｣

男性は目を見開いた。

翔太｢…何？案内してって言ったの。｣

街人｢…わかりました。｣

俺はその病院に行った。

街人｢…ここが、その３人のいる病室です…。｣

翔太｢…わかった。｣

俺はそっと扉を開けた。そこには、包帯で頭をまかれ、腕を骨折してる男性と、軽く弾丸をスったであろう女性、同じく、弾丸を受けたであろう女性がいた。

｢｢……！？｣｣

俺を見た瞬間に怯えだした。

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