ヴァンパイアと少女の昔話…【蒼井翔太】

第8話 ☆ 祈るしか… 【現在】 ページ11

ーAOI sideー

蒼井｢A頑張ってね！｣

貴｢うん！｣

Aは、近くの人たちのおかげもあって、近くの病院に運ばれた。

全くあんな大きなお腹をしていたのに、なんで無茶するかな。

これから、また長い戦いが始まった。

蒼井｢…。｣

手術室のまえで待っていると、携帯がなった。

蒼井｢…？…あ、賢章くん？｣

何の用事かな？

蒼井｢…もしもし？賢章くん？｣

『あ、もしもし？しょーたん？実はさ、涙君と藍君がしょーたんたちと話したいって。』

蒼井｢あぁ、ごめんね？ありがとう。｣

僕達が英国に飛んでいる時、涙と藍はシェアハウスのみんなが面倒を見てくれていた。

『あ、今変わるね？』

蒼井｢うん。｣

『…涙くーん、お父さんだよ〜？』

『パパ〜？』

蒼井｢クス…。もしもし？涙？｣

『パパだ〜！藍〜！パパ〜！』

『パパ〜？』

蒼井｢藍？｣

『パパだ〜！今どこにいるの？』

蒼井｢遠いところだよ？｣

『とおいところ…？』

向こうではてなマークを浮かべてる二人の姿が目にうかぶ。

『パパ〜…いつ帰ってくるの…？』

蒼井｢いつ、だろうね…。でも、来週にはそっちにいるよ？｣

『ホント？早く帰ってきてね？』

蒼井｢うん！もちろん！｣

電話の向こうで、郁くんが涙を呼ぶ声が聞こえた。

『涙〜？遊ぼ〜！』

『あ！いっくんだ！』

蒼井｢クスッ。遊んでおいで？｣

『うん！またねー！パパ！』

涙と話し終え次は藍が僕に話しかけてきた。

『パパ…ママは？』

蒼井｢今ママちょっと違うところにいてね？一緒に居ないの。｣

『そうなの？』

蒼井｢うん。｣

『…なにも、ないよね…。』

蒼井｢…！うん。何も無いよ？ほら、藍も遊んでおいで？藍がいないと涙がまた泣いちゃうかも。｣

『…！うん！またね！パパ！』

蒼井｢うん！またね。｣

すると携帯が賢章君の元に戻ったのか、次は賢章くんが話しかけてきた。

『…もしもししょーたん？』

蒼井｢賢章君。｣

『…何か、あったんだね？』

蒼井｢ｯ…！ははっ…！やっぱり賢章君にはバレるか…。｣

『そりゃーね。しょーたんのこと、Aちゃんの次に理解してるつもりだし。』

蒼井｢ありがとう…。｣

『…で、何があったの？』

蒼井｢…Aのお腹、破水してね…。今、近くの病院に運ばれたの…。もう、手術で赤ちゃんとるって…。｣

『命に別状は？』

蒼井｢わからない…。｣

『そっか。今はとりあえず、手術が成功することを祈ろう？』

蒼井｢うん。ありがと。｣

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