休日: 昼 ページ37
家族5人で朝食を摂った後、僕は出かける事にした。書店で本を購入するためだ。心理療法に関する本。
僕は勉強が嫌いでない性分なので、現学生に負けないくらい学んで心理療法士の名に恥じぬ知識を蓄えようと思ったのだ。
車も免許も持っていたが、元々出勤日だった今日、体を動かさないとなんだか落ち着かない。
手に取った車のキーを戻し、歩いて行くことにした。
早歩きで徒歩5分程度。書店へたどり着いた。
思ったより種類があるようだ。どれにしようか悩んでいた時、
「おう、ジゼル」
「りゅーくん。こんな場所で会うなんて奇遇だね」
妹の幼馴染みの紅郎くんと出会した。
まだ玄関に巨大な水槽がなかった頃、よくお家に遊びに来てくれたことがあったので、既に顔見知りである。
ああ、巨大な水槽というのは、Aのペットの鮫が優雅に泳ぐ水槽のこと。
Aが小学生で、初めて水族館に行ったところ、鮫を大変気に入ったらしく「飼いたい！」と叶ったら良いのにな程度の願望を述べたところ、うちの父は本当に水槽と鮫を仕入れてきたのだ。
それが現在、エントランスに広々と設置されているのだ。
「りゅーくんも本を買いに？」
「ああ。と言っても鉄の付き添いだが」
「元素番号26:Fe……？」
「そうじゃねぇよ。後輩の渾名だ」
りゅーくんの目線の先で、黒髪赤メッシュの溌剌とした男の子がキラキラした目で雑誌を購入していた。
「大将〜！A姉の特集が載ってるやつ、残り1冊で買えたッス〜！もう感激ッスよ！！」
書店のビニール袋を抱き締め、太陽のような笑顔を弾けさせる。ふと、勇我を思い出した。
「おう、良かったな」
りゅーくんがその後輩くんに笑いかける。相変わらず怖くて優しい笑顔だ。
それにつられて、後輩くんも更に嬉しそうに笑った。
「それじゃ、僕も買ってこようかな。じゃあね、りゅーくん。」
ざっと見て最も専門的に見えた1冊を手に取り、レジへ向かおうと二人に軽く手を振ったら、
「あ、ま、待って下さいッス！！」
後輩くんに呼び止められてしまった。
「あの、クロウ君のお兄さんッスか？！そうッスよね！」
「うん、そうだよ」
「やっぱりそうッスよね！こんな綺麗な顔、滅多にいないッスから！俺、クロウ君の友達の南雲鉄虎ッス！！」
ああ、どこかで見たかと思ったが、僕が出勤初日にクロウと背の高い子と3人で仲良さげに話していた子だ。
「僕は青海ジゼル。よろしくね、鉄虎君。火、金曜日は学校にいるから、今度ゆっくりお話ししようね」
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流離いのsecret(プロフ) - ぎゃぁぁ本当だ……！ご指摘ありがとうございます！ 細かいところまで読んでいただき嬉しいばかりです笑 (今後気を付けます笑) (2019年7月13日 22時) (
レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ごめんなさい。｢混沌｣でした!! (2019年7月13日 21時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ｢悩み｣の話の｢敬人｣が｢敬斗｣になってますよ（コソッ面白かったです。これからも頑張ってください！ (2019年7月13日 20時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります！(語彙力ない)笑 (2019年6月24日 14時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白いです(語彙力ない) (2019年6月23日 21時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流離いのsecret | 作成日時：2019年5月2日 14時
