速達！デリバリーボーイ。 yt × in

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渡すタイミングは逃してしまったけど、言うタイミングも逃してしまったけど、伝えたかった言葉は変わらないから。





「お話って、なんですか？」





なんて、にこにこしている慧くんの前に跪く。





「え、ちょ、えっ、なんですか？！」





驚いてるね、慧くん。



まあ確かに、大の大人に跪かれたら驚くか。でも、こうしたほうが、らしいでしょ？





「あのね、慧くん」





慧くんの左手をとり、その甲にキスをする。





「きみを愛してます、俺のお嫁さんになってください」





ジャージのポケットに入れていた指輪をだして、驚き固まる慧くんの薬指に指輪をはめた。



こんな格好で、こんな場所で、ムードもなにもないかもしれないけど、渡すなら今しかないって思うから。





本当は卒業式の日に渡したかったんだけど、俺のせいで渡せなくてごめんね。



でも俺のこの気持ちは、１週間前も昨日も今日も、もちろん明日も、何年先だって変わらないよ。






ずっと好きだよ、きみが好きです。世界の誰よりもきみだけを愛してる。





「ね、返事、聞かせてくれる？」





慧くんの頬に手を当てて澄んだ瞳をのぞき込めば、そこからは透明な涙がぼろぼろと零れた。





「おれも、裕翔さんがすき、…愛してます」



「じゃあ、」



「こんなおれでよかったら、ずっと一緒に、いてくださっ」





慧くんの涙声が終わる前に、その華奢な身体を抱きしめる。





嬉しくて、愛しくて、もうどうにかなってしまいそう。





「誓いのキス、してもいい？」



「…ん、してください」





目を閉じた慧くんに口づければ、記憶よりも熱い口内と彼の舌が俺を夢中にさせる。





可愛くて、愛しくて、ちょっぴりえっちな俺のお嫁さん。





絶対大切にするって誓うから、もう二度とこの腕の中からいなくならないでね。







ねえ、慧くん、



これからずっと永遠に、愛しちゃってもいいですか？








速達！デリバリーボーイ。 fin.

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