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【THIRD STEP】 ページ26

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伊野尾先生の、八乙女先生へ向けた恋心を知ってから気がついたことがある。




「いーのちゃん、何食べてんの」


「わ、ちょ、ひかっ…八乙女先生、」




まず一つ目は、

八乙女先生といる時の伊野尾先生は、すっごい可愛い乙女の顔になっているということ。




「ひと口ちょーだい」


「だ、駄目ですよ…っ、八乙女先生」


「ふは、何故に敬語?」


「…学校だから」




二つ目は、

伊野尾先生はいつでも全身で、八乙女先生が大好きだと叫んでいるということ。




後ろから八乙女先生に肩を組まれて、真っ赤な顔で俯いて、

伊野尾先生はこんなにわかりやすい反応をしてたのに、どうして俺は彼が蒔田先生に恋してるって勘違いしてたんだろう。



それに、伊野尾先生の片思いの相手である八乙女先生は、どうして彼の恋心に気づかないんだろうって不思議に思う。



なんで気づかないんだろう、彼のこんなにも大きな気持ちを。




「八乙女先生と伊野尾先生は仲良しですね」




職員室の端っこで八乙女先生と伊野尾先生のやり取りを見つめていれば、

渦中のあの人の彼女、蒔田先生に話しかけられた。




「…蒔田先生と八乙女先生も、仲良しじゃないですか」


「やだ、中島先生ったら」




否定もしないで頬をほんのり染める蒔田先生は可愛らしい。



でも俺は、

八乙女先生に絡まれて照れちゃう伊野尾先生の方が可愛いって思ってしまう。


たぶんそれは、伊野尾先生が俺にだけ見せてくれる顔を知っているから。


切ない顔で恋を語る顔が恥ずかしそうに微笑むのを見ていると、彼の恋を応援してあげたくなるから。




「蒔田先生もコーヒー飲みます?」


「じゃあ、お願いしようかな」




蒔田先生のマグを職員用の棚から取り上げれば、にっこりと笑った彼女が頷く。



彼女が八乙女先生の方へ行かないように。

もうすこし彼と八乙女先生の時間が続くように。

俺が彼女を引き止めるから。




コーヒーメーカーに向かいながら、じゃれあうふたりを横目でみた。

何故かすこしだけ痛む胸には気づかないふりをして。

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こさこ(プロフ) - ヤクルトのパーティさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえてとても嬉しいです…っ(*´ー`*) (2018年2月25日 23時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
ヤクルトのパーティ - わずか14ページなのに、とても内容がしっかりしていて、読み応えがありました! (2018年2月23日 18時) (レス) id: e6b3878e0d (このIDを非表示/違反報告)
こさこ(プロフ) - ヨウコさん» ゆといのちゃんはちょっとしつこすぎるくらいかなあ……と…(笑)ベットの中でのことはまた今度書きます(*´ー`*)ちょっともうここ最近ゆといのみが強すぎてやばいです…… (2018年2月1日 21時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - いやいやいや、割としつこかったゆうと…ちょっと長丁場すぎー?笑さすがにお若い!その辺是非詳しく…!(お変態発動)甘いゆといの最高です!金沢城も行きましょう!(ゆとぺに狂乱) (2018年1月28日 20時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
こさこ(プロフ) - ヨウコさん» やはり今回も甘々になってしまいました…(笑)よろこんでいただけて嬉しいです(*´ー`*)イケメンゆうとがだいすきです…(*´艸`*) (2018年1月26日 21時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こさこ | 作者ホームページ:http://ma-no homepage  
作成日時:2018年1月25日 18時

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