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『すっごい人…。』





約6年ぶりのお祭り。


やから浴衣に慣れてなくて歩きにくいってのもあるし、


この町のどこにこんなたくさん人住んでんの?ってくらいの人の多さに


東京暮らしの私、圧倒されております。





『もう…照史どこやねん…。』





駅前にいるって言うてたけど、


なんせ目印というものがないからどこにいるか分からないうえに背の低いうちは


上から見渡すこともできずキョロキョロしてたら突然後ろから声をかけられた。





?「ねぇねぇ」


『ん?』





振り向くと、そこにはチャラそうな2人組の男の人たちが。





男1「お姉さんかわいいね!今1人?」


『そうですけど…。』


男2「じゃあ俺らと回んない?」


『えっ、でも待ち合わせしてて…。』


男1「でも今1人なんでしょ?そんな奴のことなんて置いといて行こーよ!」





なにこの人たち、怖い…。腕グイグイ引っ張られて痛いし。





『ちょっとやめてください!うちほんまにもう行かないと…。』


男2「えっ、お姉さん関西弁喋んの!?ちょーかわいいじゃん!!」


男1「名前教えてよ!」


『ちょっと…!』





怖い…照史、助けて…。


そう思っていると急に腕をグッと強く引っ張られてついその人たちの方へ近づいてしまった。





男1「な〜んだ、お姉さんもほんとは俺らと行きたいんじゃないの?」


男2「あっち行こーよ!」


『やだ…照史助けて…!』





ついに我慢していた涙がポロリとこぼれおちたその時。




後ろから腰をグイっと引き寄せられて、気付くとうちは大好きな匂いに包まれていた。


そしてうちの腕を掴んでいた手がパシンっと叩かれてうちから離れた。





桐山「兄ちゃんたち〜むやみに人の女に手ぇ出さんほうがええでー?」





うちの顔は照史の胸の中にあったから顔は見えなかったけど、


ひぃって声がしてから慌ただしい足音が遠ざかっていったから


たぶんあの2人組は逃げたんだと思う。




そしてうちが安心して思わず泣き始めると、照史は





桐山「ごめんな、怖かったな」





と言って昔のように抱きしめてずっと背中をトントンしてくれた。




それからしばらくしてうちが落ち着いてくると、急に顔が照史の胸から離された。


ちょっと寂しいとか思ってると照史がとびっきりの笑顔で





桐山「ほな行こか!」





ってうちの手をギュッと握って歩き出した。




…また好きになっちゃうじゃん。最後の思い出のはずのに。




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設定タグ:ジャニーズWEST , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2020年11月23日 12時

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