小説の「文」の書き方講座

四十五歩目「表現技法〜同じ言葉を二回繰り返す〜」 ページ46

「反復」です。
文字通り、同じ言葉を二回繰り返します。「○○に会いたい。○○に会いたい。」というわけなんですが、単純なので例出さなくてもわかるねこれは……。

ほぼほぼ詩でしか使われないと思います。小説で使うならセリフでしょうか？
ただ私は、反復をそのまま小説で使ったことは一度もないです、断言できます。

ちょっとアレンジします。「彼は○○だ。最近よく話題に上がる、○○である。」みたいな感じです。反復のはの字くらいしか残っていませんが、一応反復っぽいです。

またセリフでは「寝坊しないでね。大事なことだから二回言うよ、寝坊しないでね！」と言った具合に使います。これは反復らしさがより出ていますね。ああ、四十四歩目でも私が似たような言い回しをしました。

ただそのまま使うことはあまりないですね……某学園(？)バトルファンタジーではおにぎりの具でしゃべる先輩がいらっしゃいますが、たぶん彼なら反復使いまくることが可能ですね。たぶん。
そのまま使えるのは、彼のセリフくらいではないでしょうか。

「反復でしゃべるキャラ」を作るくらいしかないですね。あ、個性が出るので案外いいかもしれません。ただ反復を使うためだけにそこまでする必要はないと思います。

あとはですね……何度かお話している、全く同じ文章の単語だけ変える戦法も反復の一種かもしれません。十九歩目で出した例の「彼の心には不安が渦巻いていた。恐怖が渦巻いていた。焦りが渦巻いていた。同時に、わずかな喜びも渦巻いていた。」こいつですね！！！反復っぽいです。

そのまま使うとしたら……うーん、短い言葉に限られるかもしれませんね。「待って……待って！」みたいな。詩的な表現をしている場合には、長い文章でも使えるかもしれませんが、私的な表現もあまり続くと「いつまで自分に浸ってんだこいつ」案件になるので注意が必要です。

もう「使うならほどほどに」を表現技法の使用規定にしてもいいかもしれません。

ちなみに今うっかり「規定に定める」と言いそうになったのですが、これは頭痛が痛い問題にあたります。規定は「決まりを定める」という意味があるので、「規定に定める」と言うと「決まりを定めるを定める」になるんですね。気づいてよかった、あっぶね〜〜！！

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