小説の「文」の書き方講座

四十二歩目「同じ言い方を連続させるのはギルティ」 ページ43

セリフでも地の文でも起こりがちなやつです。

同じ言葉が連続すると美しくないということは何度か口にしたことがあると思います。
復習しましょう！今まで出た連続言葉のフルコースをどうぞ！！

「これはりんごだよ」
と、Aくんが言った。AくんはBくんを見た。
「へえ、りんごなんだ」
と、Bくんが言った。Bくんはりんごを見た。
「どうして今りんごを持っているんだと思う？」
と、Aくんが言った。Aくんはわくわくした顔でBくんの返事を待っている。
「どうしてりんごを持っているんだろう、わからないな」
と、Bくんが言った。Bくんは首を傾げた。

フルコースだもんで、逆に違和感がなくなっちゃいましたね！絵本とかにありそうな文章になっちゃったわ。
しかし、「小説」というくくりで見ると、おまえら馬鹿なんか？？？？？と思います。私はね。
コミュニケーション能力に欠けているキャラであれば、ついオウム返しにしちゃって、へたくそな会話しかできないことを表現することもできますが。基本はアウトです。

あ、地の文だとたぶんどんな場合もアウトです。絵本を作中に登場させたり、とにかく強調することや何か目的があってわざとやっているわけではないならね！！
ほら、ついこないだも私が蜘蛛蜘蛛蜘蛛蜘蛛言ってたじゃないですか。あれはわざとやるということです。また同じ文の単語だけ変えて、「目の前に広がっていたのは荒野だった。血ぬれた地面だった。無数の動かなくなった人間たちだった。」なんてするのもわざとですね。

で、新しい連続言葉をご紹介しましょう。それは「助詞」です！！！！

助詞ってのは、何々「が」、とか何々「を」とかの単語と単語の間にあるあれです。
助詞が連続するってのは、つまり「頑張った“が”結果がついてこなかった“が”全力を出し切った。」みたいなやつです。三個の文章を無理矢理くっつけました！！！といった感じになっています。

こいつはばらばらにすると「頑張った。しかし結果はついてこなかった。それでも全力を出し切った。」になります。そしていい感じにするのであれば「頑張った。結果はついてこなかったが、全力を出し切った。」となります。

また、「昨日と、今日と、明日は特に忙しい日だ。」なんてのも、幼い子供のような印象を与えてしまいます。地の文であればアウトです。
しかし、大体のパターンではどこかの助詞をひとつ省くのが気持ちいい文章になります。
「昨日と今日、明日は特に忙しい日だ。」という風にです。

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