小説の「文」の書き方講座

四十一歩目「二重表記〜馬から落馬に頭痛が痛い〜」 ページ42

熟語の意味を正しく理解していないときに起こりがちな、「頭痛が痛い」問題。こいつらは、二重表現や重複表現と呼ばれているらしいです。

なにがおかしいか、もうおわかりいただけたと思います。「頭痛」はそれひとつで「頭が痛い」という意味を含むので、「頭痛が痛い」は「頭が痛いが痛い」と言っているのと同義なのです！！

じゃあどうすりゃいいんだ、といったら、「頭が痛い」か「頭痛がする」のどちらかにするんです。

「馬から落馬」も同様です。もっとも、こちらは使う場面がずいぶん限られてくると思いますし、わかりやすいので間違えることはあまりないかもしれません。ただ、熟語の意味をきちんと理解できていないと間違えてしまいます。

よくやりがちなのが、「一番最初」または「一番最後」です。私もよくやります。強調するためにわざとやるときもありますが、ガチで間違えることの方が多いです。
「最初」と「最後」を分解してみると、「最も初め」と「最も後」になります。つまり、既に「一番」という意味を含んでいるんです。いやでも間違いとして知られていないので、ある意味正しい表現扱いなのかもしれませんね。

まあ間違いは間違いなんですけど……(´・ω・`)

頭痛が痛い問題はほかにもたくさんあります。上げだすとキリがないので、詳しくは「頭痛が痛い 類語」でGoogle先生に聞いてください。たくさんの優秀な方が、頭痛が痛い問題を一覧にしてくれています。

さて、熟語の意味を理解できていないと発生する、と言いました。頭痛が痛い問題を知っていても、それが頭痛が痛い問題であるとわからなければ避けようがありません。
なので熟語の構成をさくっと説明しちゃいます。そうすれな熟語の意味を理解することが簡単になるはずです。理屈で理解できれば、インプットもとっても簡単なので、語彙力も上がります。

熟語の構成には五つの種類があります。

まずは主語・述語の関係でできているもの。「○○は△△だ」「○○が△△する」という文章にすることができるものです。「神授」→「神が授ける」、「円高」→「円が高い」など。

次に、意味が反対の言葉同士をくっつけたもの。「上下」、「勝敗」など。

逆に、似た言葉をくっつけたものもあります。「寒冷」「起立」など。

修飾する言葉と、修飾される言葉でできているもの。「座席」→「座る席」

修飾される言葉と、修飾する言葉でできているもの。「着席」→「席に着く」

最後の二つは紛らわしいので、「もの」だと「修飾・被修飾」、「動作」だと「被修飾・修飾」と覚えるといいと思います。

四十二歩目「同じ言い方を連続させるのはギルティ」→←四十歩目「具体例を出して説明してみる」

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