寝ても覚めても。【amnos】 (ページ30)

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自分を奮い立たせるみたく
勢いで、２年Ａ組のコスプレ喫茶まで走って

中を覗いてみたけど
翔さんの姿は見つけられなかった

確か開祭式のときは真っ白の、全身真っ白の衣装で
いたらすぐにわかるはずなんだけど

智「ん？…ケガしたナース」
持田「あ、大野さん！」
智「…知り合い？」

Aの美術部の先輩で
翔さんといつも一緒にいる、大野さんが
入口の前のあたしに気付いて声をかけてくれた

……誰かはわかってもらえてないみたいだけど

持田「Aと同じクラスの、持田といいます」
智「もちたさん」
持田「あの、…翔さんは、いますか？」
智「しょーくん？いま生徒会の準備？かなんかで出てったよ」

準備
忙しいのか…
そりゃそうだよね

大野さんが不思議そうにあたしをじっと見る

持田「どちらに、行かれたか…ご存知ですか」
智「…生徒会室？…まって、ニノー」

首をうーんて曲げて
教室の中の、二宮さんを呼んだ様子

和「なんすかー」
智「翔くんどこいった？」
和「なんで」
智「この子が」

親指で差されて
反射的にぺこりとお辞儀

Aの知り合いでも
こうしてちゃんと話すのは初めてかもしれない二人
興味ないけど、騒がれるだけあって顔はいい

二宮さんはあたしをちらっと見て
あーって顔して考えてる

和「運ぶぞーって言ってたから後夜祭の準備かな？たぶんグラウンドらへん？」
智「後夜祭ってなんかあったっけ？」
和「ステージとか作んないといけねーんじゃないの？わかんないけど」
智「ふーん」
和「こないだ知美が、外の体育倉庫にいろいろ運んでんの見たよ」
持田「ありがとうございました！」

グラウンドの奥の隅っこの体育倉庫
後夜祭で使われるステージ

心臓が緊張でドキドキしてるのか
ただ息が上がってるのか

わかんないくらい夢中で走った

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