寝ても覚めても。【amnos】 (ページ19)

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体育着に着替えて教室に戻ると、もっちーと相葉くんの姿がまだなくて
松本くんが頭にタオルを巻いて何かをしてた

細い木と木に釘を打ちつけて繋いでる

「何してるの？」
潤「看板作り」
「看板？これ？」
潤「枠だけ木にして布張るんだと。丈夫だし安上がり」
「へー！手伝うよ！」
潤「じゃあ、そこの釘とって」

金づちで釘を打つ松本くんのアシスタント

夏の間に日焼けした跡がＴシャツの袖のとこを捲ってるからくっきりわかる
腕はもちろん筋肉質だし

和くんだとこうはならない
腕は細いし色も白い
夏の間もずーっとお部屋でゲームばっかり
和くんの夏の天敵はお日様と暑さ

潤「なに」

「ん？…松本くんは男の子っぽいなあって思ってたー」

潤「なんだそれ、男だから当たり前だろ」

ばかだなあ、って呆れ笑い
またバカにされた

「和くんいるでしょ？和くんは松本くんと全然違うの！こんなに筋肉ないしー、日焼けもないしー」

潤「…」

「それに、金づちなんてきっと持たないよ！ゲーム機より重たいものなんて持ったことない、きっと(笑)」

ふふって笑って、松本くんも笑うかなって思ったのに
眉毛をキリっとさせて口を尖らせた

あれ、おもしろくなかったかな
ちょっと不安になって松本くんをじっと見つめたら
ふい、と目を逸らされた
あれー？

翔「松本！A！二人仲良く作業？はかどってる？」

「お兄ちゃん！」

教室にダンボールを抱えて入ってきたのはお兄ちゃん
その後ろからもっちーがちょっと照れてるみたいに顔をのぞかせて
最後に相葉くんが、持ってたダンボールを勢いよく降ろした

潤「翔さん、あんた何やってんの」

翔「やー、この二人が大変そうだったから」

雅紀「二人って！ユキの分しか持たなかったくせにー！」

翔「当たり前！二人分手伝ったら俺がフラフラになる(笑)」

三人がわいわい言い合って
お兄ちゃんがなぜか一緒になって看板作りをはじめたとき
もっちーがこっそり傍に来て
『翔さんが助けてくれた』って言った

ユキ「この量二人で持ってくのはキツイでしょ、って、あたしの半分持ってくれたの」

「よかったねもっちー！」

ユキ「うん、…嬉しかった」

ホントに嬉しそうにもっちーが笑って
お兄ちゃんがそろそろ行かなきゃって立ち上がった時に
ありがとうございました、って言って

『お安い御用！』なんてわはーって笑ったお兄ちゃんを
好きって表情で見つめるもっちーを見て

わたしもあんな感じなのかなってドキドキした

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