9.まさかのまさか ページ10
何度見れば、気が済むのだろうか。
繰り返される悲しい夢を。
「っ…」
まただ。何度も見るあの夢。
おにいちゃんの、私を呼ぶ声。それは、いつも聞いている声と何処か似ている気がした。
何故、今頃になってよく考えるようになったのだろう。…分からない。
私は知りたい。兄が何処へ行ったのか。
あの日から白河先輩は、家まで送ってくれるようになった。
私は1人でも大丈夫と言ったが、またあんな事になり兼ねないと言われたから、お願いしている。
それは家に着いたときの事だった。
「京華は寮には来ないの？」
「寮…ですか？」
「通いじゃなくて、寮生活に変えられないの？」
「…多分、母に訊いてみれば分かります」
「そうか。許可が取れたら教えて」
「分かりました」
母に頼んだら、あっさりOKしてくれた。
「寧ろそっちの方が楽」と言われた事は忘れよう。思い出すたびに切なくなるから…。
「白河先輩、許可貰えました！」
「そうか。なら良かった」
「部屋って何処になるんですか？」
「俺と同室だってさ」
聞き間違えではない。
そう悟った私は、恐る恐る拳を握った。
「何がどうなってそうなったんですか…？」
「空き部屋がもうないんだと」
「…あぁ」
「そんなに嫌？」
「いや、そういう訳じゃないんです…」
世の中の事情というものは、時に恐ろしく現実感を引き出すものだ。
白河先輩なら、という先入観から来たものなのだろう。せめて柊先輩とだったら…。
そんな事を心配していたが、私も他と似通った先入観を持っていた。
彼なら大丈夫だと分かっている。
その後、私は荷物を持って白河先輩の部屋に行った。ドアが開かれると、整然とした空間がいっぱいに広がった。
白河先輩と同室って…すごく緊張する。
「緊張しなくていいから」
「あ、はい」
と言われてもドキドキする私は、相当な警戒心を持っていたのか。
「なんか…兄妹みたいだな」
「！」
びっくりするのも無理がないと思う。
「あの」白河先輩が微笑んだのだから。あまり表情を変えない人だから、これは結構レア物だ。
「何変な顔してんだよ」
「いや…白河先輩も笑うんだなって」
失礼な奴だな、と額にデコピンされる。地味に痛かった。
でも、白河先輩の事を少しだけ知れたんだなと思った。
それが嬉しい。
白河先輩と同室で良かったかも。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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あずきいろ
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (
レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです！今後このような事が起こらないように気をつけます(＞＜) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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