Episode4.秋桜 ページ47
パーカーのフードを深く被り、冷たい風が吹く中を歩く。
名もなき野原へ足を運ぶ。
あんなに暑かった夏はあっという間に過ぎ、今は秋が深まる頃。
前まで蒸し暑かったのに、嘘のようだ。
甲子園は終わり、次は春の甲子園出場を懸けた秋大。
代が変わると樹は、正捕手に抜擢された。
成宮先輩のリードをするのがとても大変そう。
…この代でどれだけ勝ち進めるのかな。
フードが風で脱げないように、右手でフードの先の部分を押さえる。
ー
思い出の詰まった野原は、未だ草が衰える事なく生い茂っている。
辺りを見回してみると、見る限り目的のものはないように見えた。
…何処らへんにあるんだろう?
あまり咲かない花だったかなぁ?
小首を傾げながら、取り敢えず周辺にないか探してみる。
端の方では5、6人の子供たちが野原を駆け回っていた。左手には、自転車(補助輪なし)に乗る練習をしている親子。
それらを目で追いながら。
野原にある小さな小川のほとりに行ってみると、ピンク色の何かが見えた。
期待に胸を膨らませながら見てみる。
それは、綺麗に咲き誇るコスモス。
コスモスは、まるで大空を仰ぐかのように咲いていた。
それを傷つけないように大切に摘み取る。
ごめんね、少しだけ貰ってくね。
これから部屋に飾って大切にするから。
ひゅう、と風が吹いてフードが脱げた。
風に乗って一輪だけ散った花びら。
それにつられるように振り向くと─────
彼がいた。
小さく微笑みながら手を取って、もと来た道を戻る。
秋らしい独特の香りが、ほのかに鼻先をくすぐった。
「京華も乙女になったもんだよね、あの日から」
「なんでですか?」
「コスモスの花言葉、知ってる?」
「さぁ…?」
成宮先輩は、乙女のように口に指を当てた。
「コスモスの花言葉はね…………」
………
「いや、ただ私は秋っぽい花を部屋に飾りたいと思っただけで…!!」
「でもそれ、凄く素敵だと思う!あたしはね!!」
部屋に飾ったコスモスが、微かに揺れた。
「奏も見習えよ」
「お前に言われたかない」
秋の日の、小さなおはなしだった。
ちなみに、コスモスの花言葉は『乙女の愛情』とか『少女の純真』らしいですよ。
次回はとっっても恐ろしい内容です!
Episode5.日奏ちゃんのデス★クッキング→←Episode3.完璧主義兄妹
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです!今後このような事が起こらないように気をつけます(><) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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