5.いつかの記憶 ページ6
布団に入ってもあの人の顔が頭から離れない。
何度も、何度も出てくる。
今日は眠れない夜になりそうだな。
ー
練習が終わって寮に戻ろうとした。
その時突然聞こえてきた声。
「…放して！！」
考えるよりも先に、脚が声の聞こえた方向に走り出していた。
声の主は黒柳。不良共に絡まれていた。
不良共が去っていった後、彼女を家まで送った。
それにしても何故、無意識に脚が動いたのか。
考えても考えても分からない。
なんなんだ…。
ー
寝坊はしなかったものの、頭がぼーっとする。
結局、昨日は余り眠れなかった。
多分寝不足ってやつだろう。
学校に着くと、成宮先輩が飛んできた。
この人は、神出鬼没な所があるから怖い。
「京華ちゃんおはよー…ってどうしたの？！」
「いつもと何ら変わりないです」
「疲れ目だし、頬に絆創膏貼ってるし…明らかにおかしいでしょ」
「別に、何も…」
「まあ、無理はしないでね」
「ん…はい」
教室に着いて自分の机に倒れ込む
「黒柳さん大丈夫？」声を掛けてきたのは、多田野 樹。
原田先輩と同じキャッチャーで私と同じクラス。そして、なんだかんだいい奴。
「うん。多分大丈夫」
「そう。何かあったら言ってね」
「ありがと」
授業は何とか受けて、放課後。
朝より身体が重くなってきた気がする。更に目眩もする。
辛い。
だけど、皆に迷惑を掛けたくない。
樹や成宮先輩に無理しないようにって言われたけど、守れそうにない。
重い脚を引きずりながら歩く。
自分が弱音を吐いてはいけない。
弱音を吐いてはいけない…。
…と、突然視界が暗転した。
暗い、暗い、真っ暗な世界。
此処は何処？
彼方に見える光に手を伸ばすと、光が目を眩ませるかのように広がった。
「…ぃ…で…！」
あれは…？
「いや……な…るのは…！」
「ごめん…ご……ね、…と……れない…の」
「なんで？…ねぇ！」
「…京華！」
「おにいちゃん！！」
必死に手を伸ばしても、届かない。
するりと手を抜けて、ずっと遠くに行ってしまう。
いつだって側にいてくれた人。
10数年も前の事だけど、名前は忘れてしまったけど…。
私は、あの人が大好きだった。
行かないで。
側にいて。
戻ってきて。
ねぇ、今何処にいるの？
答えて。
おにいちゃん…。
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (
レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです！今後このような事が起こらないように気をつけます(＞＜) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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