岡田似蔵1 ページ25
お久しぶりです、更新です(謎)
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「何処へ行くんだい?」
背後から呼び止められ襖へと伸ばした手をピタリと止める。しれっと出ればいいものを、いや普段ならしれっと出られるのだけれど、今日に限ってはそれが難しいらしい。
先に言うが用意していない、訳ではない。
「雪が、降りそうなので、部屋の....あの...」
「なにかあるんだね、行って来たらいい」
自分でも嘘が下手だと思う。彼だってよくもまぁあんな歯切れの悪い私を行かせてくれるとも。行くべきでないことくらい分かっているのだ。今日この日に彼からいっときだって離れるなんて。後ろ暗さを抱える私の足は止まり、襖へと伸ばされた手は体の脇へと戻った。
「迷うなら、此処にいて、行きたい時に行けばいい」
「う、いえ。大丈夫です」
いつかは言わねばいけない。彼の優しさに甘えて私はおずおずと口を開く。
「あのですね、プレゼントがですね」
「あぁ、わざわざ用意してくれたのか。気を遣わせちまって悪いね」
「選んだのですが。昨日は雪で、今日は祝日で、配達が出来ないらしくって」
「それは、仕方がないじゃないか。
俺が晋助みたく夏生まれならこんな事はないんだ、Aが気に病む事はない」
ゆっくりと諭すように話す彼に申し訳ない気持ちが高まる。予期してもっと早くに用意しておけば今日という日に渡せたと言うのに。
何を言ったら良いかわからず、勢いよく彼に抱きついた。ふらりと体が揺れたけれど彼はしっかりを私を受け止めてくれて自然と背に腕が回る。
「うぅ....ごめんなさい....」
「謝らなくていいよ、きっと長く悩んでくれたんだろう。
けれどあんたが側にいてくれればそれで充分だ」
ぎゅ、と背に回された腕に力がこもって、耳元で彼が息を大きく吸った。香りを嗅がれているのかと思うと逃げてしまいたいほど恥ずかしいが、我慢してじっとする。それから気を紛らわすように口を開いた。
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時雨羅 - 私も井上和彦(朧)さんが大好きです。まず銀魂を知っている人が周りに全然いないので朧さん推しも少ない。悲しいです。 (2020年9月13日 17時) (レス) id: 3904cc9db9 (このIDを非表示/違反報告)
朽名(プロフ) - 私も朧さん大好きです。増えて欲しいですよね (2018年10月3日 20時) (レス) id: dbb799217f (このIDを非表示/違反報告)
麗芳(プロフ) - 朧さん、好きですよ。最高です。 (2018年7月24日 17時) (レス) id: bfbb2531a4 (このIDを非表示/違反報告)
紅き瞳の姫(プロフ) - 朧んイケメン ヤバいめっちゃカッコいい それに子供の時の朧ん可愛すぎか!! 朧ん推しです!! (2018年6月1日 17時) (レス) id: 4486db5a14 (このIDを非表示/違反報告)
神永 - 朧んイケメンで可愛い← (2018年5月19日 11時) (レス) id: ddc9686b8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:安田 | 作成日時:2013年8月29日 23時