むかしむかし、あるところに。【青】 ページ42
昔話って、どうしても続きが気になる。
でも昔話というだけあって、
本当の結末なんて誰にもわからない。
これは、俺と君の甘くて切ない昔話。
ー
幼稚園の頃、俺と君は子供ながらに
愛を誓った記憶がある。
り「ぼく、おおきくなったらAちゃんとけっこんするから！」
「ほんと！？どこかとおくにいっても？」
り「ぜったいにみつけてあげる！けっこんするんだから！」
ー
小学校の頃、少し恥ずかしさも混じりながら
君をずっと好きでいた記憶がある。
ー
「りょう、一緒に帰ろ！」
り「うん、いいよ！」
「もうすぐ中学生だね」
り「そうだね。頑張らんとね！」
ー
中学生の頃、思春期という壁があり
少しずつ距離ができた記憶がある。
ー
「おはよ、」
り「はよ、」
「高校どうするの？」
り「城西かな、このままでいくと」
「そっか、」
り「Aは？」
「東京に行く」
り「え、？」
「お父さんの仕事の関係でね。一緒に行かなきゃ行けなくなって」
り「へ、へぇ…頑張れよ」
「…うん。」
ー
中学卒業と同時に、
Aと関わる時間はなくなった。
連絡先もいつのまにか変わっていた。
もう、二度と会えない初恋の人。
高校を卒業して、社会人になり
同窓会を開くという知らせが届いた。
君に、会えるんだろうか。
友「りょー！！」
り「久しぶりー」
友「めっちゃデカくなっとるやんお前！」
り「なんかね、伸びたわここまで」
友達と話す中で、
俺は君をずっと探してた。
でも、見つからない。
り「ねえ、Aって来とらんの？」
友「A？参加って連絡来てたんだけどなぁ。まだ着いてないんじゃね？」
り「Aの連絡先教えてくれん？」
友「いいよ、りょうからも聞いてみて！」
俺は連絡先を教えてもらって、
店の外へ出て電話をかける。
「…はい、」
り「A、？」
「え…、」
り「久しぶり。って…分かる？」
「わかるよ、…りょうの声なんて」
り「嬉しいこと言うじゃん」
「…だって、ずっと聞いてたんだもん。ずっと隣にりょうがいたから、」
り「今どこ、」
「今駅ついたとこだけど…」
り「迎えに行くから待っとって」
「え、でも…」
り「いいから！待ってて。絶対、そこから動かんでね」
止まったままの昔話。
今から動かしてやろうじゃん。
むかしむかしあるところに。�◆收帖暸�←ご褒美！一泊2日の旅�◆變弌�
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作者名：ふくちょー。 | 作成日時：2019年6月18日 1時
