Emotion【SHO.H】 (ページ45)

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「ついこないだ。ゴールデンウィーク明けて少し経ってから」

神「はっ！？おまえゴールデンウィークって廉がこっち遊びに来てたろ？その後にすぐ浮気とかどーゆう神経してんの？」

「自分でもわからない。私馬鹿なの。」

確かに、言われてみれば。
廉との久しぶりの再会の後、私は紫耀と関係を持ち始めた。廉にとったらなんて残酷な話なんだと思った。

神「どーするつもり？」

「紫耀とは卒業と同時にお別れするの」

神「おまえが東京戻るから？」

「そうよ」

これは紫耀と約束したことだ。
2年後、私は必ず廉を選ぶ。私は彼にそう断言したのだ。
よく考えれば虫のいい話だ。
それまでの間、私のそばにいてほしいだなんて身勝手にも程がある。

神「じゃあ、廉には隠し通すつもりなわけだ」

「それには勇太の協力が必要」

神「おまえも随分悪い女になったよ。本当、清純だったAちゃんはどこへいったのか」

「勇太は清純な私が好きだったの？」

神「いや、顔が好きだった」

勇太は正直者だ。だからこそ勇太は信頼できる。勢いで付き合ったあの頃から別れた今でも、勇太のこの性格と愛嬌のお陰で仲は崩れることもなかった。

「そういえば、勇太は？予定がキャンセルってどういうことよ」

勇「本気で俺が大阪に来るなんて思ってなかったって。本当なんなんだよ」

「いや、私も初め聞いた時すごい行動力だなと思ったよ」

勇「確かにな？だけど許せねえのが彼氏がいるらしいんだよ」

「最低ねその女」

勇「そーなんだよ。俺って昔から女見る目ねーんだよなあ(笑)」

「どーゆう意味よ」

勇太はハハッと笑った。

勇「あーあ！俺が好きになる女は最低な奴ばっかりダ！」

「その冗談笑えないから」

勇「好きだったよ。俺は。スッゲー好きだった。」

「私の事？」

勇「そう。だから廉と付き合い始めた時、正直なんで廉はいいの？ってなった」

勇「けど、廉いい奴だからさ。憎むどころか応援したくなったよ」

勇太の口から廉という言葉が出るだけで
私はやけに後ろめたさを感じていた

神「その廉を蹴るんだもんなおまえは。相当だよ」

「クソ女？」

神「そ、クソ女。けど安心しろ？廉と俺より俺とAの友情の方が固いぜ。俺はお前の味方だ」

「勇太が味方なら心強いね」

勇太は笑った。きっと他人事だから笑えるのであろう。私は心の中で焦った。それが他人事ではなく、自ら立たされている吊橋であるから。