【キヨ】流れ星 -shooting star-【レトルト】 (ページ6)

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願いが6つ。ページ6

教室に入り、教卓の横に立つとレトルト先生が私の名前を黒板に書き連ねる。

黒板に書かれた私の名前は、私が書く時よりも達筆で、彼に書かれたということだけがなぜか胸を高ぶらせた。

『北海道から来ました、日向Aです。宜しくお願いします』

小さな自己紹介に、小さな拍手。

「えーっと、Aちゃんの席はキヨ君の隣やな!!」

「はぁっ!?まじで!?レトさんそれはマジ勘弁」

先生の言葉に立ち上がったのは、明るめの茶髪に高い身長そして、整った顔立ちの男の子。

「俺が女無理なの知ってるべや…」

あ、北海道訛り…彼も北海道から来たのかな。

だけど私に向けられたのは、はっきりとした拒絶。

「せやけど、しゃーないやん。このクラスの男女比が男子の方が多かったからキヨくん隣なしにしたんやけど、今ぴったしやもん。ってことで、何あったらキヨ君に聞けば優しく教えてくれるで」

にっこり、と胡散臭いほどの笑みを浮かべてきよくん、と呼ばれた生徒の元へ行くように促す。

『…ごめん、ね。あんまり、話しかけないから』

「そーして」

キヨくんとの初めての会話は、きっと、ずーっと忘れない。