牢獄の中の少年たち (ページ29)

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桐「僕らはきっと愛してる以上の言葉を」

重「あいらぶゅーそー」

大「俺の膝の上ですんなよ……」

桐「見つけるために生きてきたんだ」

重「ねーばえーん」

紫「手を取り合ってまた進んで行こうっ」

廉「なんでついていけんねん」

中「それがひとつの軌跡さ」

重「おまえら……ここでて

　自由になれ……よ」

『重岡！』

こうして重岡は息を止めた

紫「あいつが死んだ朝

　夜明けはいつものように

　やってくる東の野のはてに」

大「あいつが死んだ朝

　朝日はいつものように

　差し昇る欅の木の向こう」

『だけどあいつのいない夜明け

　だけどあいつのいない朝日

　だけどあいつのいない空

　何かが足りない何かが足りない

　何かが足りない』

廉「あいつが死んだ朝

　僕らは生きる」

『いなくなった

　あいつの分も』

中「お前らを釈放する」

恭「こんな形でそうなるとはな…」

大「重岡看守、ありがとう」

紫「ありがとう」

廉「ありがとう」

中「出口行けよ

　脱獄頑張れよ」

流「せや、まだ脱獄の途中や」

謙「今までお世話になりました」

紫「ありがとうございました」

『ありがとうございました』

看守達は涙を流した

そして遠ざかる背中に

いつまでもいつまでも手をふった

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