私と呪術師二人。ただし最強。〜捌〜

361話 ページ29

※Noside



裏梅は宿儺に指を渡していた。渋谷事変で虎杖が15本取り込んでいたので裏梅が差し出している本数は4本だった


「申し訳ありません。どうしても最後の一本を見つけることができませんでした
如何様にも罰は受けます」

「よい。どうせ最後の一本は五条悟が持っている」

「左様でしたか……それは……」

「まあ「おそらく」だがな
五条悟は小僧の死刑を延期するために「宿儺の指を全て取り込ませてから」という条件を上に出した
だがあの男が何もせず漫然とその時を待つとは考えづらい
既に宿儺(おれ)の指を一本手中に収めていて小僧の死刑を実質無かったことにしてたはずだ」

「(あの男…一度ならず二度も宿儺様の前で私に恥を……
クソ…！反転術式を以ってしてもいまだに傷が痛む…)」

「気にするな。一本分程度ならコレで補完できる」


宿儺と裏梅の間には目が4つある即身仏が置いてあった。これは両面宿儺の即身仏である
宿儺はボキボキと首をもぎ取った


「くっく身仏とはな
羂索……いや天元か……皮肉のつもりかそれとも……」




一方その頃羂索は、、、
「コガネあれから19日経過した。死滅回游の泳者(プレイヤー)でありながら一度も結界(コロニー)に入場せず術式を剥奪されて死んだ者は何人いる？」

「61名です。一覧に出しますか？」

「いや、いい。殺されることを恐れたのか殺すことを恐れたのか……違うな
その61人にそんな直覚的な感情はない。明神Aが追加した総則(ルール)があればどちらも回避出来たのだから
この国の人間は現実が普遍恒常なモノだと自ら暗示をかける。命も生活も常に瀬戸際を流れているのに
誰だって命をかける勇気を持っているわけじゃない
だが他人に勝手に命をかけられてしまったらあとは行動するしかないじゃないか
現実や未来に希望がなくても死ぬことはいつでも出来るんだ。まずは一歩踏み出す自分の理想に一歩近づく
その実感を知らないまま死んでいく人間を僕は嫌悪するよ
貴様に言っているんだぞ天元」

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