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櫻井課長が歩き出した。
松本課長が櫻井課長とすれ違い様に
「前にちゃんと言ったからね。」
って言ったら
笑顔で
「好きにしろ。」
って返した。
怖い。
笑顔が怖い！
松本課長も
「怖えー。」
って笑って
「俺もAと一緒がいいのにー。」
相葉くんが泣き真似しながら櫻井課長の後を追った。
「じゃ、今日は残念だけどまたね潤くん。」
「はい。また。」
「中村さんもまたね。潤くんを恋人にしてあげてね。きっと大切にしてくれるわ。」
私はなんと答えればいいの？
なにこれ？
言葉を無くして、無言で頭を下げた。
「相変わらずだよ、アヤさんは。」
「松本課長には先輩になるのですよね？」
「そう。大学の時からあの人は女王だったよ。」
後ろ姿を見送って
「翔さんは帝王だったけどね。」
って笑った。
私の知らない櫻井課長。
知りたいけど知るのが怖い過去。
「ま、俺には関係ない。あ、社には関係あるか。」
「そうです。今抱えてるお仕事のお手伝いしていただくと櫻井課長が仰ってましたので。」
「じゃAは、また会うね、あの人に。」
きっと会う。
それまでに今この胸の奥で
モヤモヤしてるものが解消してるといい。
「俺達も行こうか？地下の資料室だけど(笑)」
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作者名：ハルヒ
| 作成日時：2020年2月15日 9時
