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笑顔で話す課長を
見ないように背を向けて
先輩方にお酌してまわる。
課長以外のみなさんと話して
自分の席に戻って
綺麗に並べられた料理をいただく。
美味しい。
課長をチラっと見たらまだ仲居さんと
楽しそうに話していて
これ以上見るのは良くない！と思って
食べることに専念してたら
いつの間にか私の周りに先輩方が集まってきて
いろんな楽しい話をしてくれて
ずっと笑っていた。
相葉くんも私の横に座って
私達の新人研修の時の話をして
いわなくていいのに、私が研修初日に
段差もない所ですっ転んで
おでこにすごいタンコブ作ったこととか
話して。
先輩方が、仕事している時とのギャップが半端ないよなって。
そういえば櫻井課長にもそう言われたなーって思い出して。
課長の方を見たら、もう仲居さんはいなくて。
課長がこっち見ていた。
目が合ったら、ちょっと悪い顔して笑った。
ズルい。
カッコイイんだから。
課長の電話が鳴って
通話するために部屋を出ていった。
部屋を出る姿を目で追って
この宴会でまだ課長と話してないなーって。
それどころか、今週はほとんど声を聞いてない。
近くて遠いなぁ。
ため息ついてしまったら、相葉くんが
「Aはさ、翔ちゃん課長の事が好きなんだね？」
って、小声で言った。
「えっ？どうして？違うよ。」
「違くないよね(笑)俺Aのこと見てるからわかっちゃうんだ。」
「相葉くん…。」
「でもさ、翔ちゃんはほら、、さ。」
「うん、わかってるよ。どうにかなろうなんて思ってないよ。そうだなー。あ、ほら！アイドルみたいな？そんな感じ？」
「あはっ！推し？(笑)」
「そうそう、推し(笑)」
「じゃ、俺の推しはAだ。」
「えっ？」
「えっ？あっっ!!」
相葉くんは慌てて
ビール一気に飲んで
むせた。
「今のはまだ聞かなかったことにして。」
「まだ？」
「あー、もう。俺ダメダメだー。」
男の人に可愛いなんて言ったら失礼なんだろうけど、存在そのものが可愛くて仕方ない感じ。
「俺、頑張るから。それで自信つけてAにカッコいいって思われるようになるから、期待して俺の事も見ててよ。」
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作者名：ハルヒ
| 作成日時：2019年10月21日 20時
