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あの日
パリに到着して。
いつもの馴染みの画材屋に行った後、街をふらふらと散策して。
腹が減ったから、カフェ入って。
軽ーく食ってたら、ふと目に入ったタウン誌。
観光案内みたいなものだけど、もうちょいディープな感じ？
穴場的な。
俺はフランス語はわかんないから、写真だけ眺めてたんだけど
その写真の街並みの風景の中に見つけたんだ。
Aの姿を。
クリアに写ってるわけじゃないけど
横顔の顎のラインとちょっと絶壁気味の後頭部。
腕の長さ
脚の曲がり方
と、結構でかい胸。
描いた事がある人のことなら、特に覚えてる。
その外観的特徴が、俺の記憶しているAと一致したんだ。
もちろん顔だって似てるし。
服装や持ち物から見て、旅行に来た感じじゃない。
生活してるって感じに見えた。
その写真に写った風景の場所を調べて行ってみた。
1日中、そこにいてAを探したけど見つかる訳もなく。
ザワザワと心が騒ぎ立つから。
心がここに留まる事をしろって言うから。
今、俺はこの街にいる。
そして。
この街に来て2週間、ついに俺はAを見つけたんだ。
「何か緊急事態ですか？大野さん。」
「あ、ごめん。起こしちゃった？ニノからだよ。きゃんきゃん煩いから切っちゃた(笑)」
「えっ！ニノ…二宮くん？」
「うん、ニノ。」
「…。」
「大丈夫、Aの事は言ってないよ。っていうより、俺、日本にいないってみんなに言ってなかった,。」
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作者名：ハルヒ
| 作成日時：2018年2月17日 19時
