Heart 3（S.S） (ページ2)

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だからニノが

「翔さん、Aのことだけど。」

って、いきなり切り出した時は、思いっきり素の翔ちゃんが見れて

ああ、翔ちゃんは変わってないって思った。

「もういいの？翔さんは知りたくないの？Aが何でいなくなったか？どこに行ったのか？」

「知ってどうする？」

「会いに行かないの？」

「理由聞いたら納得できる？会いに行ってどうする？」

不貞腐れるように答えてるけれど、知りたいに決まってるし、会いたいに決まってる。

翔ちゃんが医学部に進むことを止めた時点で、俺にはわかっていたんだ。

「どんな理由があっても、どこにいるのかわかったとしても、今の俺じゃどうしようもないから。」

そう言って伏せた目は決して死んでなかったし、翔ちゃんはやっぱり翔ちゃんだって思えたから

つい嬉しくなってしまって

「翔ちゃぁぁぁぁーん。」

って抱きついて

ぎゅって抱きしめてやった。

「ぐ、ぐるじぃぃぃぃーよ、ざどじぐん…。」

って呻きながらも、嬉しそうな翔ちゃんを見たから。

俺らは早く大人にならなきゃいけないって思った。

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