85・お前のこと知りたい ページ35
閑静な高級住宅街に
入るとすぐ
一際目立つ真っ白い南欧風の大邸宅。
シャッター付きの大駐車に
色鮮やかな花が咲き乱れ
芝生の敷き詰められた広い庭。
オシャレなチェアーや美術の教科書に
載ってそうな白い石像に
美しく照明がほどこされ
ガゼボまで設置されている
誰もが羨む大豪邸だ。
近辺では知らない人はいないくらい
有名な通称
ジャンプ大豪邸=女優 田中良子の家。
もち俺も知っていた。
もっぱら俺達の間では
『娘が超〜可愛い！』らしいで
有名だったけど。
俺と春兄はシャッター付き駐車場横の
来客者用駐車場から
8段ほど階段を上がり荷物を運んだ。
そして先に Aと庭に出た。
翔「すんげ〜立派な庭」
A「夜遅くここでぼ〜っと風に
吹かれてるの大好きなの」
白いチェアーに座った
Aの隣に座ると
目の前が公園で少し高台だから
開放感ハンパない最高の見晴らしで
さすが！としか言いようがない。
翔「超最高の立地条件だよな。
さすが社長と良子さん。
娘に生まれて感謝しろよ〜！」
A「……してるよ」
そう微笑むが
一瞬寂しげな表情を見せた。
翔「……わり。その分、苦労や嫌な思い
も色々してるよね」
そして俺の言葉に
少し黙ってからまた微笑み返した。
A「でもやっぱり ここの娘に
生まれて本当に幸せって
今は思うから……」
やっぱ色々あったんだよな……
少しはわかるよ。
A「翔君だってそうでしょ？」
翔「……お前に比べたら大したこと
ないよ」
A「そんなこと……」
そう言って月を見上げ
月明かりに照らされた Aに
見とれる俺……
本当に本当に綺麗だ。
翔「……今まで自分のこと話したがら
ないように見えたから あまり
聞かないようにしてたけど……
これからは色々話してよ。
……ムリにとは言わないけど」
A「……」
翔「聞くしかできないけど
誰かに話したくなったら
俺に話してよ。
……俺もっとお前を知りたい。
俺も知って欲しいし……」
俺は 急に照れくさくなり
月を見上げた。
そんな俺をじっと見る Aに
更に照れくさくなり
隣の頭を押してやった。
A「……ありがとう」
その月明かりを宿した大きな目から
“大好き……”
痛いくらいに伝わるのが嬉しすぎて
俺は 更なる熱い想いを浮かべ
負けじと Aを
見つめ返した。
ラッキーアイテム
革ベルト
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りん(プロフ) - かおるんさん» 嬉しいです！これからもよろしくお願いします(*^^*) (2013年9月15日 10時) (
レス) id: dad6bd0f93 (このIDを非表示/違反報告)
かおるん(プロフ) - めちゃ面白いです (2013年9月15日 10時) (レス) id: eeafce828e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - かおりんさん» ありがとうございます＊頑張ります！ (2013年9月7日 11時) (レス) id: dad6bd0f93 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - おもしろかったです。更新楽しみです。 (2013年9月7日 11時) (レス) id: 74dc8487cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん
x他1人 | 作成日時：2013年8月13日 8時
