訂正中ーLOVEーふたりの軌跡 *s.s *Part.2改訂版 (ページ19)

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69・いいこと・・・ページ19

電車の座席に座る

あたしの斜め前の吊革に捕まり

揺られながら窓の外を見てる翔君。

……ひとり

何を思っているの？

少しだけオレンジ色に染まった光が

翔君の端正な顔を染めている。

……きれい。

ぼ～っと見とれてると

ふいに翔君があたしを見る。

思わずドキッとして視線を外した。

……しばらくあたしを見て

また外に視線を移すのがわかる。

……黙って遠くを見つめる表情に

引き寄せられまた見つめてしまう……。

またすぐに翔君の視線も……。

またそらすあたし……。

翔「……なーんだよ」

A「座れば？余計目立つ」

翔「……確かに」

素直に右隣に座る。

こんなに空いてるんだから

始めから座ればいいのに。

年頃の男の子らしい……。
　

翔「……宿題結構あるよね。

　 ……月曜宿題やるよ」

A「え？みんなで？どこ？」

翔「……また連絡ある。

　とりあえず空けとけばOK」

A「わかった」

嬉しい！

すぐに会えるなんて……

ニヤけそう……。

チラッと横を見ると同じ顔した翔君。

A「フフ……」

翔「怖っ！一人笑い」

横目でちょい睨む……。

翔「ハハ膨れんな膨れんな。

　唇尖ってる」

そう言って頬をつつかれた。

A「自分はいつもじゃん」

翔「……まぁね。怒れる獅子だから」

A「獅子？」

翔「どうせ俺はリスにアヒルだよっ」

かわいい顔のクセに

言葉使いは結構乱暴で

モロ今時の高校生。

……でもそんな翔君が大好き。
　

ホームを降りると物凄い熱気。

A「あつ～っ……」

翔「送ってもらえば良かった？」

ちょい意地悪顔で聞く翔君。

A「２人きりでランチしてね！」

ハイハイって顔するのが悔しくて
　
先に早足で階段を登る。

翔「うっそ！ぜってー行かせね」

振り返ると急に赤くなってそむく翔君。

嬉しくてじっと見つめてると……

翔「……見んなよ」

ポケットに手を突っ込んで

睨んでくる翔君。

センセにヤキモチやく翔君が可愛くて

重かった足取りも軽くなる。

翔「急ぐとへばるぞ！」

A「一気に行った方が楽！」

翔「……いいことあっから」

いいこと……？

A「あ！鞄ね」

止まって鞄と荷物を差し出す。

そんなあたしをじっと見て登る翔君。

追いつく手前で荷物を持ち下に置くと

あたしの腕を引きチュッ……。

……そして

もう一度右に頬を傾け……

唇が近付く……。