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Mside
「あんたら付き合ってんの？」
「「は？」」
俺と翔さん、お互いが顔を見合わせ、笑う。そして、同時に告げる。
「「ないない。」」
変に意識してしまうじゃねぇか。
これから、何か気まずくなるだろ。
「翔さん、こいつ、生意気な中坊だな。」
「中坊って呼ばないで下さい。僕にだって、二宮和也っていう名前があるんですよ！」
「にの、初対面の潤にかますねー。」
「だって、そう見えますよ。だって、部屋の行き来してるんでしょ？」
周りがよく見える聡明な中坊だな。
翔さんは彼の頭をぽんぽんと撫でて言った。
「俺らはあくまで隣人の友人だよー。潤とは驚く程に気が合うだけ。ねー潤。」
「お、おう。歳も近いから意気投合しただけだ。それにこの人、何にも出来ねぇし。」
「あーまた、俺をそうやってダメ人間扱いしてー！にのも何か言ってよー！」
翔さん、中坊に頼るって…。
てか、俺、彼を何て呼べばいいのだろうか？
翔さんと同じように「にの」と呼んでいいのか？それとも、和也？二宮？いや、二宮君？和也君？俺が悩んでいると彼が背伸びして俺の耳元で囁いた。
「ふふっ、じぇー。しょーを宜しくお願いしますねー。」
「は？いやいや、あの人、自立しねぇとダメだからな。」
つっこみたい所がいっぱいあるし。
俺の呼び方、まさかの「じぇー」かよ。
確かに潤はローマ字にすれば、Jで始まるけど、そんなあだ名、恥ずかし過ぎるよ。
「じぇー、僕の事は何でもいいですよー。」
「じゃあ、和で。」
「了解です。」
「そこー何、話してんの！コソコソしてーもう仲良くなっちゃったのー！？」
「しょー、拗ねないで下さい。」
「確かにさぁー。にのはコミュニケーション能力、高いし、すぐ大人の懐の中に入って気付いたら、お駄賃、貰って帰ってくるお金好きのあざとい子どもだけどさぁー幾ら何でも早くない？」
翔さんが大人げない。
不満タラタラじゃねぇーか。
子ども相手に恥らいの一つも無いのか？
「3日間、お世話になりますね、じぇー。」
「お、おう。」
「にの、俺にもそういうの頂戴！」
「しょーうるさい。」
「ガーン。」
初めて見たよ。
セルフで「ガーン」って言ってる人。
本当に顔が悲しみに暮れているし…。
「和、気にしなくていいよ。この人、いつもこんなんだから。」
「知ってます。しょーは残念な人です。」
「偉い偉い。よく分かってんじゃねぇの？」
賢いな、和。
まぁ、翔さんの親戚なんだから、それも当たり前か…。
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作者名：山風無限 | 作成日時：2019年7月26日 1時
