猫なで声に油断ならぬ。*M.A* (ページ35)

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「pardon？」

珍しく社食の鯖の味噌煮定食を食べてる私たち。美那ちゃんがとんでもないネイティブな発音で聞き返してきて、箸が止まる。

「えっと・・美那ちゃん？」

「No way!! It's unbelievable!!」

流暢な英単語たちの登場に周りのテーブルの人たちも箸が止まる。周りに目配せをしたら頭を抱えてた美那ちゃんがハッとして、口を抑えた。

「何もしないで帰ってきたんですか？！」

「う、うん・・まぁ。」

少し声量は抑えられてるけど絶対聞こえてる・・でも言えない。
キスは・・した事にはならないよね？でもあの大人のキスは・・って、いかんいかん！疑いの目で美那ちゃんが見てるよ！

「あの遊び人で女たらしのまぁくん家から？！」

「う・・うん。」

けなされてる気がするんだけど・・気のせい？
どういうつもりで・・いやいや！心配してくれてる、はず。

「先輩！！」

「は・・はい・・」

「やりましたねー！！せんぱぁーい♡♡」

「は・・はい？」

美那ちゃんはどうやら後者だったらしく、箸を放り投げて私を抱き締めてくれた。もう周りの人には気にもさせない(呆れてるんだろうな)くらい大騒ぎして喜んでくれた。

雅紀くんが本気だって確信できたらしかった。

「良かったー！これで心置きなく鯖の味噌煮が食べられますよー！」

「ちょっと美那ちゃん・・大げさな・・」

「大げさじゃないです！本気です！！あっ、そうだ！」

お箸を取りに席を立ったのかと思ったら戻ってきてスマホを取り出す。何やら嬉しそうにタップ中。

「何？彼氏？」って聞いたら慌ててスマホを隠した。美那ちゃんが隠し事？気になるけどうまく話を誤魔化されて、結局雅紀くん談義に花が咲いてしまった。